インタビュー前編(https://www.brightcove.com/ja/resources/blog/interview-90-seconds-japan-1)では、社内コミュニケーションにおける動画の活用方法とその事例についてお話しました。後編では、前回に引き続き90Seconds Japanの瀧本氏に、動画を作る際の注意点についてお話いただきます。
<Profile>
Sales Consultant, 90 Seconds Japan Inc.
Ryushiro Takimoto
2002年より映像業界へ。営業プロデューサーとして、あらゆる業種・業態の企業や官公庁の映像制作に携わる。フリーランスを経て、2017年90秒ジャパンに入社。プロデューサーを経て現職。
## 5分から10分のビデオを見るのは従業員にとって難しい
__ブライトコーブ(BC)大野__ 社内コミュニケーションで動画を活用されているお客様から、「どんな工夫をすれば、もっと動画コンテンツを見てもらえるのか」というご質問をよくいただきます。動画を作ったら、できるだけ多くの人に見てもらいたいと誰もが思います。
90秒日本(90) 瀧本__ 動画の長さを変えてみることをおすすめします。例えば10分の動画なら、2分✕5本に分けるとか。2分という長さは、電車で動画を見るくらいの長さです。忙しい社員にとって、5分から10分の動画を見るのは意外と難しいものです。社員が移動中に見られるような短い動画にすることで、時間の壁をなくすことができます。
大野__BC__ 経営のメッセージを社員に伝えようと思ったとき、たった2分間でそのメッセージを伝えるのはとても難しいと思いませんか?
滝本__90氏 やり方はいろいろあると思います。例えば、アニメーションやインフォグラフィックを使ってわかりやすくしたり、字幕やタイポグラフィを使って強調したいポイントを強調したり。また、用意した原稿を読むのではなく、できるだけ自然に話すことも大切です。スクリプトを用意するのもいいですが、一言一句メモするのではなく、これから話すことのキーワードだけを時系列でメモするようにしましょう。
## 正式な質問には、正式な回答のみが与えられる。
__BC大野__経営陣はカメラの前で話すことに慣れていないとよく聞きますが...。
瀧本さんカメラの前で話すことに慣れていない人には、インタビュー形式をおすすめします。インタビュー形式では、インタビュアーの選び方がポイントになります。社内の人間が経営陣にインタビューするのは難しいでしょう。また、形式的な質問に対しては、形式的な回答しか得られません。映画監督や外部のインタビュアーなど、外部の人を起用することで、経営陣も答えやすくなります。また、より自然な会話になり、社員の共感を生みやすい。
大野__BC__撮影テクニックのコツはありますか?
90滝本__ 企業の経営メッセージを共有する動画には、2台のカメラを使うことをおすすめします。1台のカメラで全体を撮影し、もう1台のカメラで顔だけを撮影することで、社員が飽きにくい映像を撮影できるだけでなく、編集ポイントを作りやすいというメリットもあります。
インサート映像を撮影できればなおよい。経営陣がデスクワークをしている様子や、社員と交流している様子を撮影して映像に挿入すれば、社員は経営陣を身近に感じることができる。
## VTuberを使う
__BC大野__社内で情報を共有するビデオはどうですか?
__90瀧本__:社内で情報を共有する動画であれば、制作手法としてVTuberを使うことは可能です。
__BC大野__:VTuber?それはなかなか斬新なアイデアのように思えるが、なぜそれが効果的なのか?
90滝本__ VTuberを使うことで、社内の広報担当者が恥ずかしいと思うようなことでも、第三者的な視点でコンテンツを作ることができます。社員もテレビ番組を見るような感覚で見ることができます。VTuberはあくまで一つのアイデアであり、社外の人でも構わない。第三者として忌憚のない意見を言えるレポーターがいることで、動画の内容がより面白くなる。個人的には、YouTuber、特にクライアントが自社のYouTuberを育成する可能性も探っている。
## クオリティにこだわりすぎず、スピーディーに動画を制作する。
御社のようなプロダクションに映像制作を委託する場合、どのような点に気をつければいいのでしょうか?
瀧本さん伝えたいこと、表現したいこと、必要最低限の内容以外は制作会社に任せてください。制作前後に何度も何度も会社がチェックする動画は、どうしても真面目な内容になってしまい、社員が興味を持てないことが多い。しかし、担当者が日頃感じていることの中には、私たちのような第三者が見ても面白いことがたくさんあります。それらを映像化することで、社員に興味を持ってもらうだけでなく、改めて気づきを与えることができるのです。
外注する場合は、今までの制作方法に縛られるのではなく、素直に要望を伝えることができれば、制作会社も提案しやすくなります。モノの伝え方(演出の仕方)のノウハウは制作会社が持っているので、制作会社を信頼して任せることをおすすめします。

また、制作や撮影に時間をかけるよりも、クオリティにこだわりすぎず、スピーディーに大量の動画を制作することをおすすめします。広報担当者の中には、CMなどの広告動画を制作した経験がある人もいるので、動画には予算と手間がかかるという固定観念があるかもしれません。社内コミュニケーションでは、1本の動画制作に1カ月もかけてしまうと、情報の即時性という側面が失われてしまいます。
大野__BC なるほど。1本のビデオ制作に時間とお金をかけすぎると、ビデオ制作の継続性がなくなってしまいます。動画をたくさん制作しないと、社員が動画でのコミュニケーションに慣れません。しかし、自社で制作するにしても外注するにしても、大量の動画を制作するのは難しい。動画を量産するコツはあるのでしょうか?
瀧本さんどんな動画を作るかによってコツは変わってきますが、大事なのは、1年間に何本の動画を作るかを会社の広報部内で合意することです。部内で目標を決めることで、その目標に向かって動画を作るということが部内の共通認識になります。また、動画の企画から公開までの工程を短くすること、動画の細かい文法を気にしすぎないことも、量産する上で重要なポイントです。
以上でインタビューは終了。90セカンズは、「Local to Local」、「All Hands Video」、「VTuber」などのプロジェクトをはじめ、国内外で多くの経験を積んでいるので、事例やヒントを教えてもらうことができた。もっと話を聞きたいという方は、[このリンク](https://app.90seconds.com/)から直接コンタクトをとってほしい!