導入事例

カスタマーサクセスに動画を活用し、利用率と視聴状況を分析。ユーザーとの距離感を可視化。

私たちは、すべてをデータドリブンでやりたいと考えていて、データを完璧に取れない仕組みでは意味がないのです。
山田 尚孝 氏Sansan株式会社 Sansan 事業部 カスタマーサクセス部 CS 企画 デジタルカスタマーサクセスマネジャー

ユーザーの成功を支援する利用促進サポート

Sansanは、2012年より「カスタマーサクセス」と呼ばれる活動を開始している。サブスクリプションモデルでビジネスを展開する同社にとって、新規契約の獲得と契約継続の大切さは変わらない。現在はカスタマーサクセス部という独立部門で約40人のスタッフが働き、日々既存ユーザーへの活用促進サポートを展開している。

Sansan事業部 カスタマーサクセス部 部長 小川 泰正氏は、「サブスクリプションモデルでは、解約率を抑えることでビジネスが成長し続けます。それだけではありません。お客様に満足していただければ、口コミでビジネスが広がっていくのです。私たちの部門では、“お客様の成功”を支援するため、利用促進にかかわることを一手に引き受けています」と話す。

カスタマーサクセス部では、Sansanの活用法や新機能の紹介をユーザーに対して行う啓蒙活動に力を入れている。そのために、コンテンツの充実が大切になってくる。

Sansan事業部 カスタマーサクセス部 CS企画 デジタルカスタマーサクセスマネジャー山田 尚孝氏は、「お客様に説明を聞いていただくことが第一になります。利用してもらう上で、大切なのは納得感。どの機能を、どうやって使えば、どんなメリットがあるのかが腹落ちすると、より積極的に利用してくれるようになりますから」と話す。

「データ・ドリブンなナーチャリングには向いていません」

そのために同社は、既存ユーザーを対象とした Web サイト「Sansan 活用tips」を用意している。ユーザーはそのサイトを訪問し、便利な活用術やそれを紹介する動画コンテンツを閲覧できる。カスタマーサクセス部では、そうしたユーザーの行動から、「どのユーザーが、どの程度、Sansanに興味を持ってくれているか」についてつかもうとしている。しかし、そこに課題があった。動画コンテンツをYouTubeにアップしても、だれが見てくれているのかわからないのだ。

「YouTubeは無料で使えますが、ナーチャリングはできません。私たちとしては、すべてをデータドリブンでやりたいと考えていて、データを完璧に取れない仕組みでは意味がないのです。たとえば、セミナーは強力なコンテンツです。しかし、開催地は東京が中心。地方のお客様に見ていただきたいのですが、それをどうやって配信し、だれが見てくれているか把握するためにどうすればいいのかと悩んでいました」(小川氏)

そこで同社は、複数の動画配信プラットフォームを検討することになった。必要な要件は、動画をだれが見ているかわかること。そして、マーケティング・オートメーション・ツールとの連携が可能なことだった。その他の詳細な項目やコストを含めて比較した結果、ブライトコーブのソリューションを採用。オンライン動画ホスティングプラットフォーム「Brightcove Video Cloud」と、動画マーケティングオートメーションを実現する「Brightcove Audience」を導入することになった。

ブライトコーブに決めた理由の1つに、ユーザーにログインしてもらわなくてもそのまま動画を視聴できる仕組みがあった。同社の場合、基本的に動画を見てくれるユーザーは、ターゲティングメールを経由してWebサイトを訪問する。そのため、動画を見た人は特定できる。マーケティング・オートメーション・ツールと連携することでこの部分をクリアし、ログインという手間をかけてもらわなくても「だれが見てくれたか」を把握できる仕様にすることができた。

導入は、わずか2週間で完了。マーケティング・オートメーション・ツールとの連携部分に少し手間取ったものの、社内リソースだけで設定を終えた。「うまくいかなかった部分を営業の方に問い合わせると、すぐに返事をくれて、一瞬で使えるようになりました。実質的には、数日もかからず使えるようになりました」(山田氏)。

利用率と視聴状況を分析し、ユーザーとの距離感をつかむ

Sansanはクラウドソリューションであり、ユーザーの利用率はすでに蓄積されている。動画の視聴状況もわかるようになったことで、利用率と視聴状況を組み合わせた分析が可能になった。

山田氏は、「利用率の高いお客様の中には、 “昔のSansan”を使っている方が居るかもしれません。私たちは便利な機能を次々に追加しています。最新のSansanを知ってもらって、より深く活用していただきたいのです」と話す。「利用率と視聴状況の分析で測りたいのは、そうしたユーザーとの距離感です」。

今回のプロジェクトにおける最大の成果は、その距離感を可視化できたことだった。利用率が高く、視聴率やWebサイト訪問回数の多いユーザーは、離反リスクの少ないユーザーと位置づけることができる。一方、どこかの指標が低いユーザーには、先回りして手を打てる。 たとえば、利用率は低いものの動画を積極的に見てくれているユーザーは、利用率の上がらない原因があるはずだ。以前は利用率だけしかわからなかったが、「担当者がSansanの機能を深く知っているにもかかわらず社内に浸透していない」という事実をつかんだ上で、最適なサポートを提供することができるようになった。

カスタマーサクセス部では、利用率を縦軸に取り、横軸に視聴状況をプロットしたグラフを作成。重点サポートユーザーを可視化し、すでに行動に移している。

今後は、当初の目的の1つであったオフラインセミナーのオンライン化にも着手する方向だ。これまでオンサイトでしか受講できなかったSansanの基本操作の学習や管理者トレーニングをオンデマンドで配信する。多忙でまとまった時間を確保できなかったユーザーや地方の顧客にとって朗報になるだろう。

「私たちのサービスは、使えば使うほど価値が高まります。そして、日々進化しています。お客様との距離感を測り、その距離をどんどん近づけていくために、これからもブライトコーブのプラットフォームに数多くの動画コンテンツをアップし、お客様の成功をサポートしていきたいと考えています」(山田氏)