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動画配信プラットフォームのROIを算出する方法とは?

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日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2019(2018年度調査)」によると、デジタル化の3大課題の一つとして「効果の見極めが困難」であることが挙げられています。しかし、新たなシステムを導入する際に、ROI(Return on Investment、投資対効果)の試算が求められる場合は多いでしょう。それでは有償の動画配信プラットフォームを導入する場合、ROIはどのように算出するとよいでしょうか。

目次

①前提:運用管理業務の標準化・効率化

②定量的な指標(KPI)を設定

③ROIを計算

①前提:運用管理業務の標準化・効率化

限られた人材で業務に対処するための運用管理や業務負担を軽減し、省力化する取り組みとして、動画配信プラットフォームの導入により動画配信インフラストラクチャを最適化すると想定した場合、これはテクノロジーを活用した運用管理業務の標準化や効率化の取組みと考えることができます。ガートナーのリサーチ分析レポート「IT投資対効果を明らかにするために押さえるべきポイント:評価プロセスとKPI」を参考にROIを算出してみましょう。

②定量的な指標(KPI)を設定

まず、そのプロジェクトから受けるビジネス上の便益と、プロジェクトを実行・運用することによるITコスト (年次コストとIT総合保有コスト (TCO*)) を見積もりましょう。

*TCO (Total Cost of Ownership)とは、米国ガートナーグループのビル・カーウィン氏が提唱した「情報システムの企画・計画・購買・開発・導入・保守・運用・使用に要するすべてのコストの合計を意味し、IT資産の購入・維持に要する直接的支出だけでなく、技術の習得、システムの維持、管理、利用を可能にするための人件費を視野に入れた総合的な保有コスト」を意味する概念。

動画配信プラットフォームの導入効果は、ITシステム部門のみというよりは、導入を主導する部門や他部門による導入以降に共同で利用し始める複数の部門をまたがって現れることが多いため、単独での効果を測定することが困難です。そこで、関連するビジネス領域にひも付いた定量的な指標(KPI)を定め、現時点の値を把握した上で、システム稼働後の目標値を設定しましょう。ここでは、マーケティング目的で動画を使用する場合を想定します。想定されるKPIのカテゴリは以下の通りです。

業務プロセスにおける効率性の改善

動画配信に関する作業時間やそれにかかる人件費は見過ごされがちですが、動画配信ワークフローの最適化により、運用管理や業務負担の軽減、省力化ができます。その結果、単純作業の工数が削減できた場合のインパクトは少なくありません。捻出できた時間を高度な動画視聴分析などに当て、よりマーケティングの成果につながる業務を行うことができます。

この指標を用いる際には、最適化した時と、最適化しない時の運用コストの比較が必要となります。

一般的に、有償の動画配信プラットフォーム導入後には、社内の動画担当者が少ないステップで各種作業を完了できるようになり、生産性が向上する可能性があります。このように、ワークフローの効率化により工数が削減できれば、動画の管理や配信にかかっていた運用作業時間、残業時間の削減効果が生まれると考えられます。

また、新しい動画配信プラットフォーム導入以前に、外部業者に委託している作業があったとします。具体的には、動画専用ウェブサイトの制作や更新、ソーシャルメディアへの動画配信などです。動画配信プラットフォームを新規で導入する、もしくは無償の動画配信プラットフォームから有償のプラットフォームに移行することで不要になる、もしくは内製化できるような作業がある場合、委託費用(人件費)の削減につながります。

売上向上に寄与(顧客維持率、販売成約率などの向上)

この指標は、売上向上につながるビジネス効果を指します。よって、自社のマーケティング施策で設定しているコンバージョンに対する動画施策の寄与を測定する必要があります。

例えば、有償の動画配信プラットフォームを導入したことにより、動画に関する作業を圧縮でき、捻出できた時間でより多くの、かつ質が向上した動画マーケティングキャンペーンを実施できたと仮定します。その結果、顧客維持率や販売成約率が向上し、利益増加につながると考えることができます。

ブランディングに寄与(認知率、購入意向率などの向上)

ブランディングはマーケティングの一部と捉えることができますが、マーケティングは顧客の行動を変化させるための活動であり、ブランディングは顧客の認識を変化させるための活動を指します。ブランディングへの寄与に関しては、認知率、購入意向率、購入頻度など、ブランディングの効果測定指標を定め、売上に対する貢献度を定量的に測定する必要があります。

一例として、有償の動画配信プラットフォームを導入したことにより、企業イメージや企業カラーを反映してカスタマイズした動画プレイヤーで動画を配信することができるようになり、認知の内容がより好意的に変化したと仮定します。その結果、購入意向率が向上し、売上増加につながると考えることができます。

③ROI試算

それでは、②で設定したKPIに基づいてROIを計算します。有償の動画配信プラットフォームの導入により見込まれるKPIとして、下記の3つを仮定します。

  • KPI 1:業務プロセスにおける効率性の改善
  • KPI 2:販売成約率の向上
  • KPI 3:購入意向率の向上

投資対効果(%)は、利益 ÷ 投資額 x 100で求められますので、導入前と導入後の利益や効果の差額と投資額を算出するために、上記のKPIそれぞれを金額に換算して算出します。

KPI 1:業務プロセスにおける効率性の改善

例えば、これまで無償動画配信プラットフォームを使用していて一ヶ月あたり20時間を要していた作業が、有償動画配信プラットフォーム導入の効果で工数を30%削減でき、14時間で完了するとしたら、得られる効果は削減できる工数にかかる所要時間(6時間)と動画担当者の平均時間給を掛け合わせることで試算できます。この年間合計金額を算出します。

  • 運用作業時間の削減量(年間) = 削減された動画の管理・運用時間(月間)x 動画担当者の平均時間給 x 12

KPI 2:販売成約率の向上

動画マーケティングキャンペーン数を増やすことができ、かつキャンペーンの質(反応率)を改善できたことにより販売成約率が向上したと仮定し、利益を算出します。

  • 販売成約率の向上による利益(キャンペーン改善により向上した利益の総額)

KPI 3:購入意向率の向上

カスタマイズし、ブランドイメージを反映させた動画プレイヤーによる動画の配信により、認知の内容が改善し購入意向率が向上したと仮定します。この場合は購入意向率について任意の期間に何回か調査を行い、売上に寄与した結果、向上した利益を算出します。

  • 購入意向率の向上による利益(測定2回目の利益ー測定1回目の利益)

なお、ここでは他の要因は変わらないという前提で、購入意向率のみを考慮しましょう。また、売上に影響を与えうる他の項目(認知率など)についても同様に算出することができます。

これらのKPIで測定した利益や効果の合計金額と、動画配信プラットフォームへの投資額からROIを求めることができます。投資対効果(%)は、利益 ÷ 投資額 x 100で求められますので、利益と投資額の合計をそれぞれ算出します。

「利益」

「業務プロセス効率性の改善により削減されたコスト+販売成約率の向上による利益+購入意向率の向上による利益」の合計利益

「投資額」

「動画配信プラットフォーム費用(システム費用+保守費用)*」の合計費用

*動画配信プラットフォームにかかる費用の詳細については、「これだけは押さえておきたい!企業が動画配信プラットフォームを選定する際のチェックポイント7選」をご参照ください。

        有償の動画配信プラットフォームを導入することで得られる利益
ROI(%)= ———————————————————————————————————  x 100
           有償の動画配信プラットフォームに関する投資額

ROIの数値が高いほど、費用対効果が良いことになります。ROIを高めるには、投資額を抑えるだけでなく、利益や効果を高めるための具体的な方策を検討することが必要になります。

いかがでしたでしょうか。本記事を参考にしながら貴社の状況に応じてKPIを設定し、ROI算出にお役立ていただければ幸いです。


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