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By Cass Sapir

Customer Success Director at Brightcove

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インタラクティブ動画のROIを計算する

Marketing

今週、ブライトコーブとDemand Metricは、この種のものとしては業界初となるInteractive Video Benchmarking Study(インタラクティブ動画に関する調査、英語のみ)レポートを発表しました。インタラクティブ動画がマーケターにとってどのような価値を持つのかについて、マーケティング活動に活かすことができる示唆に溢れたレポートです。非常に興味深いのは、インタラクティブ動画の効果や満足度について、マーケターの評価が驚くほど高かったにもかかわらず、「インタラクティブ動画のROIとは何か」という単純な質問に対し、いまだにマーケターは明快な答えをだせないでいるという点です。

このことは、インタラクティブ動画の本格的な導入を妨げる大きな障害になっているのですが、実は非常に簡単にROIを算出することができるのです。そこで、すでにインタラクティブ動画を導入されたブライトコーブのお客様事例を基に、ROIの計算方法を説明したいと思います。

最初に、インタラクティブ動画に関するベンチマーク調査結果の概要を以下にまとめます。

  1. インタラクティブ動画のメインストリームへの進出。調査回答者の32%がインタラクティブ動画をすでに使用している、または使用を開始しようとしている。
  2. インタラクティブ動画は、クリエイティブ マーケターが所有。マーケティング マネージャーあるいは幹部、クリエイティブ ディレクター、コンテンツ マネージャーあるいは幹部、または動画編集者が60%を占める。
  3. インタラクティブ動画は、早期導入者が積極的に購入。年間の平均投資額は3万~4万ドル。

レポートに記載されている内容で次の点が最も重要な点でした。

  1. インタラクティブ動画を活用すればするほど、用途やそれによるメリットも増えます。レポートの23ページをご覧ください。68%のインタラクティブ動画利用者が、重要性は増していると回答しています。逆に低下していると回答した人の割合は2%でした。新しい技術でこの割合というのは稀なことです。

効果測定の問題

インタラクティブ動画は、活用されているマーケターの方々に気に入っていただいていることがわかりました。また、もっと増やしたいともお考えのようです。得られるメリットや視聴者の反応が明確だからです。だとするとROIの計算も簡単のはずです。

しかし、測定方法に問題があるのです。みなさんが扱う動画について、現在収集しているのはどのような統計データでしょうか。視聴回数ですか。平均視聴時間でしょうか。

マーケティングに動画を活用する場合、こうした測定基準にはあまり意味がありません。

効果測定方法が不明で、成果をに対するご不満を、私たちは何度も耳にしてきました。ブライトコーブを早期に導入していただいたある企業のCEOが以下のように語ってくださったのですが、こうしたご不満をよく表しています。「この20年間、私はHapYakプラットフォームを構想として持っていました。求め続けていたのは、動画にその限界を超えさせるようなものだったのです。」

HapYakでは、ブライトコーブのお客様とは異なる視点で動画分析を行っています。動画をWebの他の要素と同様に扱っているのです。具体的には以下のようなことを行っています。

  • 動画からランディング・ページへのCTR(クリックスルー率)をトラッキング
  • 動画内の投票やアンケートへの参加率をトラッキング
  • 個々のリードや潜在顧客の真のエンゲージメント率をトラッキング(滞留時間や特定項目の再視聴時間を含む)
  • 質問に対する直接的な回答をトラッキング(ユーザーや視聴者ごとに)
  • 動画の特定部分への視聴者の移動率をトラッキング(「この見込み客はメリットと価格に関する箇所を2回見直しているようだ。興味深いな。」など)

これこそが、インタラクティブ動画という媒体の強みです。それぞれのやり取りの裏にはデータ ポイントがあり、各データ ポイントが情報システムにインプットされ、情報システムによってこれまでになかったような画期的な方法でリード、見込み客、顧客をトラッキングすることができます。

リードの選別:ファネル型フィルタリングの最上部

ブライトコーブが深くお付き合いさせていただいている顧客企業の中に、世界中の金融市場でオンライン取引を専門に行っているグローバル銀行があります。その顧客であるトレーダーが商品やソリューションを最大限活用できるよう、銀行側はトレーダーにトレーニングを施す必要があります。そこで、教材の中心にインタラクティブ機能を強化した動画を据えたアカデミーを新設しました。

サインインした視聴者をトラッキングできるので、視聴したチャプターを正確に把握し、適切なコンテンツを視聴しているかどうか確認することができます。そして特定のエンゲージメント率に達した者だけをファネルステージの次の段階に進めます。こうして教育済みリードになるのです。

お客様企業のマーケティング戦略が進化すると、全体としての視聴者がどのチャプターに最も興味を持っているかを把握し、このニーズに合わせて将来的なコンテンツをカスタマイズするようになっていきます。

インタラクティブ動画の計画的な活用

この銀行は早期導入者であり、今回のようなケースはまだ稀です。改めてレポートの内容に戻り、インタラクティブ動画の現在または予定されている用途のトップ4と見比べてみると、いずれも営業やマーケティング戦略の初期段階で利用されているものだということがわかります。

現在利用している、または予定されている
インタラクティブ動画の目的 トップ4

  1. お客様との関係構築     60%
  2. eラーニングまたは顧客トレーニング     59%
  3. リードの創出、スコアリング、選定        59%
  4. 対象市場の拡大                       56%

そもそも、インタラクティブ動画は、ファネル ステージの最上部、中間部、最下部どこで利用するのが最も効果的なのでしょうか。

リードの行動分析ファネル型フィルタリングの中間部分

弊社の別のお客様の例を挙げましょう。このお客様は、インターネット マーケティングやWebサイト最適化、リードの創出と育成といった、営業およびマーケティングにまつわる技術やリソースを顧客企業がより有効に活用するのに役立つ、社会研究を事業としています。

4年前、研究成果を動画で拡散することにしました。スタジオを作って動画の専門家を雇いました。しかし、足りないものがありました。成果を確認する方法がなかったのです。

マルチメディア制作担当のシニア マネージャーであるLukeは、率直に語ってくれました。「動画が効果的であることを確信はしています。でも、それを証明する方法がありません。」

そこで、動画内にアンケートを埋め込んだインタラクティブ動画を作成して、アンケートの提出率を動画の主たる効果測定基準としたのです。

(「マーケティングのヒントやハウツー動画はどのウェブサイトから入手しますか?」)

動画内でアンケートやクイズを使用することで、さりげなく視聴者を動画に取り込んでしまうわけです。そして、特定の回答を活用してリードを育成することを、マーケティング オートメーションを用いて行いました。

優良なリードを評価することができる豊富なデータが得られるため、動画視聴者の動きを、最終的には確立されたマーケティング評価基準に結び付けることができます。単に視聴回数をカウントする時代は終わり、 優良リードの数が重視される時代がきたのです。

Lukeによれば、インタラクティブ動画の活用事例は、フィルタリングの最終段階に、まだフィルタリング全体にも拡大しています。「マーケティング、営業、そしてトレーニングにも使用しています。」

ファネル型フィルタリングの最終段階にくる動画

Demand Metricレポートは、動画がファネル型フィルタイングの最終段階にまで導入されたという興味深い傾向を発表しました。

インタラクティブ動画の利点について見てみると、この技術を多用する企業ほど、ファネル ステージの下部に利点を期待していることが分かると思います。

動画利用の利点: 少しの利用とそこそこの利用での対比において、動画利用率が高まると利点も増える。
(左より「コンバージョン率の増加」「リード創出数増加」「販売数増加」)

そしてファネルの一番下に近くなるほど、成功を数値化しやすくなることは言うまでもありません。

みなさんにとって、優良リードが持つ価値とは何でしょうか。営業チームとのデモでしょうか。それとも新規顧客でしょうか。

ROIの計算

では、ROIの計算に戻りましょう。インタラクティブ動画の導入に対するROIはどのように計算するのでしょうか。以下2つのステップから始めます。

  1. 優良リードを割り出すために最も重要な2つ、または3つの情報を定義する
  2. その情報を抽出するためのツールとしてインタラクティブ動画を使用する
    a. 動画にチャプター メニューを配置する。特定の視聴者が2~3チャプター視聴した(かなり関心があることを示している)場合はトラッキングする。
    b. 動画内に、上記リードを割り出すために必要な情報を直接引き出すアンケートをさりげなく盛り込む。
    c. 動画にクリック可能なCTAを配置して、ホワイトペーパーのダウンロード、ランディング ページの表示、フォームへの入力などを、リードが行えるようにする。

1,000人が動画を視聴したことを計測するのではなく、動画に対する行動から、優良リードと判定された117人を割り出すことに専念します。つまりクリック数や、 ダウンロード数など、 何人がファネルの次のステージに移ったのかを把握することが大切なのです。

わかりやすいベンチマーク

HapYakでは、YouTubeに次いで多くのインタラクティブの動画を提供しています。2015年だけでも、4億2500万の動画データ ポイントをトラッキングしました。

このデータを詳細に検討し、ROIを予測、計算するための簡単なベンチマークを確立しました。当初のベンチマークは、1300万の動画視聴実績に基づいています。

ベンチマーク (左より「クリックスルー率」「アンケート/投票/クイズの提出率」「チャプター参照率」)

これらのベンチマークを社内で活用し、1,000回の視聴で創出できるリードと優良リードの数を予測しています。

1,000回の視聴 × 62%の提出率 × 提出100回当たり5.5件の優良リード = 34件の優良リード

こうして獲得した優良リードから、営業サイクルが始まります。動画視聴によってリードが強い関心を示していれば社内の営業チームに通知され、優良リードとして社内のCRMであるSalesforceに転送しています。

この技法をマーケティング オートメーションや電子メール システムと正しく統合することにより、予測可能なコストで優良リードを安定的に確保することができます。

ただし、インタラクティブ動画のベンチマークは、まだ黎明期にあることをご理解ください。各動画のタイプ、すなわちファネルの最上部、中間部、最下部に相当する動画ごとに、今後は特定のCTR、アンケートなどの提出率、誘導率が出てくることになるでしょう。

これを念頭にベンチマークをさらに洗練し、その結果を広く共有することで、インタラクティブ動画のROIが特定できるはずです。


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