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Zoomとブライトコーブの機能連携について

Brightcove News

目次

・Zoomとブライトコーブは比較すべき対象ではない

・Zoomとブライトコーブについて

・Zoomとブライトコーブの機能連携について

・Zoomとブライトコーブの連携方法

・ブライトコーブの強み

Zoomとブライトコーブは比較すべき対象ではない

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大に伴い、展示会・式典・フォーラム・セミナーなどのイベントを動画配信したいという要望が高まっています。一口に動画配信といっても様々な種類が存在しますが、ウェビナーがなかなか浸透しなかった日本においても、急激にイベントをオンライン化する波が押し寄せてきました。SNS上でも『LINE』やWeb会議システム『Zoom』を利用したオンライン飲み会が話題になるなど、コミュニケーション自体のオンライン化が、仕事・学業・プライベートを問わずものの数ヶ月で加速しています。

ブライトコーブにも「イベントをライブ配信したいが、どうすれば良いのか分からない」という問い合わせが増加しています。そこで、頻繁に頂く質問がZoomなどに代表されるWeb会議システムとの比較についてです。

双方向型の動画配信システムを提供するZoomと、ブロードキャスト(一方向)型の動画配信システムを提供するブライトコーブは比較すべき対象ではありません。動画という点では共通していますが、似て非なるシステムです。それぞれに長所と短所 があるため、それらの特性を理解し、用途によって使い分けることを推奨します。また、それぞれの長所を活かし共存することも可能です。そこで今回は、Zoomとブライトコーブの機能連携についてご説明します。

Zoomとブライトコーブについて

Zoomは2011年に設立されたZoom Video Communicationsが提供するWeb会議システムです。無償と有償のプランが存在し、ビデオ会議システムのみならずチャットや画面共有などの機能を備えており、参加者が双方向の(インタラクティブ)コミュニケーションを実現するためのサービスです。有償プランにはウェビナーに特化した機能が存在し、ホスト(主催者)と参加者(視聴者)の権限が細かく設定することが可能です。

ブライトコーブは2004年に設立された会社で、ブロードキャスト(一方向)型の動画配信プラットフォームを提供する会社です。有償プランのみが存在し、インターネット上で動画をライブまたはオンデマンド配信するためのCMSを提供しています。ライブ配信機能は国際的な展示会・音楽・スポーツイベントなどでも利用されており、世界中で数十万人を超える視聴者が同時に視聴しても、負荷に耐えることができるサービスを提供しています。

Zoomとブライトコーブの機能連携について

それぞれに異なる特徴をもつ両サービスですが、Zoomをご利用(もしくは利用をご検討)の方々で、会議もしくはウェビナーの内容をYouTube、Facebookおよび自社のオウンドメディア上で、広くライブ配信したいとお考えの方も多いのではないでしょうか?。もしくは、クローズドサイト(会員限定サイトなど)で安定した配信を実現しつつ、どのような視聴傾向にあるのか細かく分析したい方もいらっしゃると思います。

一方、ブライトコーブのサービスをご利用(もしくは利用をご検討)の方々は、複数拠点(例:東京-大阪、ボストン-シンガポール-東京)にいる登壇者を接続し、ライブ配信ができないかとお悩みの方もおられるのではないでしょうか?。これらの課題を解決できるのが、Zoomとブライトコーブの連携になります。

Zoomとブライトコーブの連携方法

有償プランのZoomにはウェビナーをライブ配信するための『ライブストリーム配信』という機能が存在します。この機能にある『カスタムライブストリーム』でBrightcove LiveのストリームURL(Brightcove Live内の表記は『ストリーミングエンドポイント(RTMP URL)』)とストリームキー(Brightcove Live内の表記は『ストリーム名』)を指定することで、エンコーダーを用意することなくライブ配信することが可能です。以下に連携方法の概要を記載します。

1.前提条件

・Brightcove Video Cloudをご契約いただいていること
・Brightcove Liveをご契約いただいていること
・Brightcove Socialをご契約いただいていること
(YouTube、Facebookへの同時連携を実現する場合のみ)
・Zoomで『ライブストリーム配信』が利用可能であること

2.Zoomとブライトコーブの連携イメージ

連携イメージは以下の通りです。ZoomからBrightcove Liveのサーバーに対してZoomの映像を送信し、オウンドメディア(Brightcove Player)やソーシャルメディア(YouTube・Facebook)上でライブ配信を実現します。YouTube・Facebookへ同時に配信する機能としては、Brightcove Socialを利用します。

Zoomとブライトコーブの連携イメージ

3.Zoomとブライトコーブの連携手順

1.事前準備
2.ウェビナーの設定 3.イベントのアクティブ化
4.YouTube・Facebookの連携設定 5.ライブ配信を開始

3-1 事前準備

【ライブイベントの作成】

まず事前にBrightcove Liveにて『ライブイベント』を作成します。設定方法については、こちらの弊社サポートサイトをご確認ください。また、YouTube・Facebookへ同時に配信を希望される際には、『ソーシャルメディアへのストリーミングを許可』が許可されていることを確認してください。

   ライブイベントの作成

【YouTube・Facebookの連携】

YouTube・Facebookへ同時に配信を希望される場合、Brightcove SocialとYouTube・Facebookアカウントを連携する必要があります。設定手順については、こちらの弊社サポートサイトをご確認ください。

【カスタムライブストリーム配信サービスの有効化】

Zoomの管理者画面にて『管理者』⇒『アカウント管理』⇒『ウェビナー設定』⇒『ウェビナー設定内』にて『カスタムライブストリーム配信サービス』が有効になっていることをご確認ください。

カスタムライブストリーム配信サービスの有効化

3-2 ウェビナーの設定

Zoom上でウェビナーをスケジュールをしてください。設定方法については、こちらにあるZoom社のヘルプセンターを参考にしてください。

その後、『個人』⇒『ウェビナー』⇒『今後のウェビナー』タブ内でスケジュールされた『トピック』を押下すると、下部に『ライブストリーム配信』タブが確認できます。こちらで『カスタムライブストリーム配信サービス』を選択し、青字で表示されている『ライブストリーム設定』を押下してください。

ウェビナーの設定

すると、以下の画面が表示されますので、『ストリームURL』には3-1事前準備 【ライブイベントの作成】で事前に作成したストリーミングエンドポイント(RTMP URL)を入力ください。また、同様に『ストリームキー』にはストリーム名を入力してください。『ライブストリーム配信ページ』には、オウンドメディア上で動画を公開するWebサイトのURLを入力、保存してください。

ストリームキー

3-3 イベントのアクティブ化

3-1事前準備 【ライブイベントの作成】で、事前に設定したライブイベントがアクティブ化していることを確認してください。また、『ジョブステータス』が待機中になっていることも併せて確認ください。

イベントのアクティブ化

3-4 YouTube・Facebookの連携設定

オウンドメディアに加えて、YouTubeとFacebook上で同時にライブ配信を希望する場合、Brightcove Socialを利用してそれぞれライブイベントを作成する必要があります。YouTubeライブの設定方法はこちらにある3-13-3を、Facebookライブの設定はこちらにある3-13-3を参照し設定してください。

3-5 ライブ配信を開始

Zoom上で『個人』⇒『ウェビナー』にある『今後のウェビナー』タブで該当するウェビナーの『開始』を押下してください。これによりZoomのウェビナーが開始されます。開始後に、右下にある『詳細』を押下すると『カスタムライブストリーム配信サービスにてライブ中』を押下します。

カスタムライブストリーム配信サービスにてライブ中

すると、以下のような画面が表示されますので、間違いがないことを確認し『Go Live!』を押下することでライブ映像がBrightcove Liveに送信されます。

Go Live!

Brightcove Live上にZoomのライブ映像が届いていれば、ライブ配信は成功です。オウンドメディア上に埋め込まれたBrightcove Player上でもライブ映像が配信されているかを確認してください。

最後に、YouTubeやFacebook上で同時にライブ配信を実現する場合、YouTubeについてはこちらにある3-4から3-5を、Facebookについてはこちらにある3-4から3-5を実行してください。これにより、YouTube・Facebook上で同時にライブ配信することが可能です。

ブライトコーブの強み

上記『Zoomとブライトコーブの機能連携について』で延べた以外にも、ブライトコーブの様々な機能を利用してライブ配信することにより、様々な恩恵を得ることが可能です。以下にそれらの機能を記載しましたので、参考に頂ければ幸いです。

・オンデマンド配信

Brightcove Liveは、ライブ配信後に動画をVideo Cloudにアーカイブすることが可能です。これにより、ライブ配信が終わった後にオンデマンド配信を開始することが可能です。

・プレイヤーのカスタマイズ
Video CloudのPlayer機能では、色々なカスタマイズを実現することが可能です。再生ボタンのデザインや貴社ロゴを組み込むことは勿論、画質の設定やChromecastを利用し動画をキャストすることも可能です。

・ライブクリッピング
Brightcove Liveには、ライブ配信中(ライブ配信を停止せず)にライブ動画をクリッピングする機能があります。クリッピングした動画をBrightcove Socialを利用しソーシャルメディア上に公開することで、ライブ配信中に効果的なイベント告知が可能です。

・ライブイベントポータルサイト
Brightcove Galleryは、動画を配信するうえで必要となる動画ポータルサイトを提供する機能です。様々な種類のテンプレートを用意しており、ライブ配信に特化したテンプレート『Live Event Portal』や『Live Event In-Page』が存在します。これらのテンプレートを利用することで、優れたデザインで効率的にライブ配信を実現することが可能です。

・SSO連携
前述のBrightcove Galleryには、SAML2.0に対応するSSOサービスと連携することが可能です。これにより、社員の視聴のみに限定したライブ配信が簡単に実現可能です。

・MA連携
Brightcove Audienceは、Oracle Eloqua・Marketo・Hubspotなどのマーケティングオートメーション機能と連携することが可能です。これにより、プレイヤー上にリードフォームを表示することや、誰が・どの動画を・どの程度視聴したかがトラッキング可能です。

※本連携の検証にご協力いただきました、HENNGE株式会社 水谷 博明さん、板垣 慎介さん。重ねてありがとうございました。