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By Matt Smith

Vice President and Principal Media Evangelist at Brightcove

2018年動画予測:注目すべきはこれだ!

Media

筆者はCES 2018に参加し、最新の発表やテクノロジーに触れてきました。今年は、Amazon AlexaやGoogle Homeのような音声制御デバイスの世界が会場で大きな話題を呼んでいました。AmazonとGoogleが話題の中心ではありましたが、ほかにも話題となっていたものもあります。Teslaではないメーカーが出展する自動運転車は人気でした。また、これまで見たこともないくらい巨大で明るく、寝袋のように丸めて持ち運べるテレビスクリーンや、パネルを簡単に交換して大きくできたり小さくできたりするスクリーンも見ることができました。

このような印象的な機器が、2018年に職場や家庭にやってくるかどうかはまだわかりません。しかし、動画分野では今年注目しておくべきものがいくつかあります。

NFLとライブ ストリーミング

2017年、米プロフットボールリーグNFLはAmazonと提携して、木曜夜の「サーズデーナイトフットボール」のライブストリーミングを開始しました。数字(視聴者数)はムラのあるものでした。平均視聴者数は全体としては増加しましたが、ストリーミングの視聴者数は2016年にTwitterで一部の試合をストリーミング中継した時よりも減少しました。とはいえ、NFLとストリーミング プロバイダにとってはリーチこそが最も重要な目標です。2017年には、スペイン語とポルトガル語の音声トラックが追加されました。

結果としては、NFLのサーズデーナイトフットボールのOTTでの視聴者は全体の視聴者のわずか3%に過ぎませんでした。ご推察の通り、NFLの試合の視聴者の大部分は三大ネットワーク(とNFLネットワーク)を通して放送を見ているのです。しかしこの数字は、今日の配信の構築の産物でもあります。2018年にはどうなるのでしょうか?

NFLはゴールポストを動かそうとしているようです。NFL サーズデーナイトフットボールを、もしもストリーミングでしか体験できないとしたらどうでしょうか?それも選択肢の一つとして検討されているようです。昨年の暮れ、NFLは放送局とOTTの両方と、来季のサーズデーナイトフットボールの中継で合意したようです。 一部報道によれば、もし従来の放送ネットワークがNFLの提示する放送権料を支払いたくない場合、NFLはサーズデーナイトフットボールをOTTのみで放映するとされています。

明らかなのは、NFLは視聴者が各々の好きなデバイスで見たいというニーズを満たす必要性を認識しているということです。Twitterでの実験を手始めに、Amazonを経て2018年に実行しようとしている施策の一連の流れが、OTTを採用する必要性が分かっていることを実証しています。新たな提案は、配信プロバイダに対して、プロダクトを強化し、コマーシャルの数を減らすことを考えるように仕向けるものとなっています。これは面白い取り組みではあるのですが、一方で収益化の問題を提起します。このようなストリーミングのプロバイダが放送権料を相殺するために使用できる従来の収益(ストリーミング内広告やコマーシャル)を減らす方向で検討すれば、減少した分のお金はどこから得ればよいのでしょうか?Amazonの場合は簡単でしたが、一般的なところではそこまで容易ではないでしょう。

2018年のうちということはないでしょうが、今後数年間のうちにNFLのファンはテレビとストリーミングのパッケージ両方で直接リーグを見ることができるようになる可能性は高いでしょう。しかし2018年には、ストリーミングのみで配信される(つまりテレビで放送されない)サーズデーナイトフットボールを見る可能性もあり、これは様々な理由で非常に興味深いことになるでしょう。

5G

今日モバイルネットワークで使用されるデータ通信の速度は非常に速くなりました。2018年、通信速度は5Gの開始により飛躍的に速くなるすることが予想されています。視聴者の視点から見れば、これは(期待を込めて)バッファが不要で、より高画質で、高速なネットサーフィンと動画視聴が可能になることを意味します。事実、5Gは家庭にあるケーブルと光ファイバーによる接続を代替する可能性が高く、家庭で大量の動画を一度に視聴する際の複雑さを軽減することになるかもしれません。

5GはLTEの約100倍速いとされており、5Gと比べればLTEはスローモーションのように感じるかもしれません。今日、デジタル消費者がアクセスできる最速の接続は家庭にありますが、5Gの場合、動画の視聴者やゲームをする人たちは、家庭でケーブルや光ファイバーの線を接続する必要はなくなります。ただし残念ながら、今あなたが手にお持ちのスマートフォンは、自動的にその速度を手に入れられるわけではありません。なぜかといえば、サービスプロバイダは、サービスを提供するために必要なネットワークの中の物理的なパーツを更新しなければなりませんし、あなたも5Gのシグナルを受信するための新たなアンテナを設置しなければならないからです。

これは動画にとって、そして動画をひとりでも多くの人に届けようとしている人、さらにあらゆる場所で動画を視聴している人たちにとっては素晴らしいニュースです。5Gはイノベーションの通過点の一つにすぎませんが、期待度の高い道標の一つであることは確かです。2018年は、超高速インターネット世界の始まりとして記憶されることになるでしょう。5Gバンザイ。

デジタル著作権管理(Digital Rights Management:DRM) 

つい最近まで、ほとんどのストリーミングコンテンツは長編映画のようなスタジオものに分類されるものは別として、DRMに依存していませんでした。しかし、OTTコンテンツや配信、その視聴、またはメディア消費が、私たちの日常生活により浸透して行くに従い、より多くの放送局やコンテンツ制作者からは、ライブ、オンデマンドに関わらず、ストリームをDRMで保護したいとの声が上がってきています。

DRMをライブコンテンツとオンデマンドコンテンツの両方に適用するというのは、ストリーミングの黎明期以来の問題です。要素のパッケージングにはプロセス上で1秒追加するだけで、視聴者のストリームを傍受し、それを再編集してほかの視聴者に配信しようとする悪いアクターからコンテンツを保護することになります。PlayReady、Widevine、FairPlayは、視聴者がコンテンツを視聴する様々なスクリーン上での準備はもちろん、アクセスや認証をも容易なものにしました。数年前にはDRMには目もくれなかった当社の放送局の顧客でも、現在では動画処理のワークフローにこれを追加することを義務付けるようになっています。これが2018年中にすべてのコンテンツに適用されるかどうかを予測するのは難しいですが、ほとんどの放送局や番組制作者が制作しているプレミアムコンテンツにはDRMが必須になると思われます。

CESでは、将来家庭に登場するであろうガジェットに対する期待を裏切りません。わずか数年前、参加者は音声アシスタントにはぎこちなく話しかけていたものです。今年、この技術はほぼあらゆるものに内蔵されていました。そして、動画のインタラクション体験にも、そしてAlexaやGoogle Home、Chromecastにも採用されています。こういったものは2018年にもっと増えるでしょう。ちょっと考えてみましたが、「Alexa、2018年最大の動画トレンドは何ですか?」と聞いてみるのが手軽でいいですね。数年の内にはできるようになるかもしれませんね。


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