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By Nao Tsuchiya

Principal Technical Consultant at Brightcove

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//Video Addict// Vol.5 MBS 村田氏 (後編)〜配信実績を積み、伝えていくこと〜

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前編ではMBS 村田氏の経歴や、MBSでどのように働かれているのかをお話頂きました。後編は、同社におけるLive配信の取り組みについて詳しくお聞きします。

同じ内容を同じやり方でLive配信しても、ビジネスとしてスケールしない

BC土屋 現在村田さんの業務としては、オンデマンド配信ではなくLive配信がメインとのことですが、どの程度の頻度でLive配信を実施されているのでしょうか?

MBS村田氏 毎年増えているのですが、2018年で50本程度のLive配信を実施しまして、そのほぼ全てのディレクションに携わっています。規模の大小はありますが、Live配信の種類も増えてきました。

BC土屋 スポーツ、バラエティ、ゲームといったジャンルでしょうか?

MBS村田氏 そうですね。最近は報道でもLive配信の要望が高まっています。先日はW選挙(2019年大阪府知事選、大阪市長選)のLive配信を実施しました。また、『チャリウッド2019』という自社イベントや、ラジオの公開収録をLive配信する試みも実施しています。

BC土屋 少々ニッチな内容でもLive配信に挑戦されているのは、どのような理由からなのでしょうか?

MBS村田氏 ここ数年の様々なイベントでの配信実績から、過去に実施したことのある題材と全く同じ内容を同じやり方でLive配信しても、ビジネスとしてあまりスケールしないことも分かってきました。社内の報道やラジオを担当する方々にも、Webを利用したLive配信という第二の武器があることを認識してもらい、この武器をどのように利用するかを一緒に考えていきたいと思っています。

コンテンツに適した配信方法を社内の担当者にレクチャーする

BC土屋 新たな配信手段があるということを、広く社内認知させるというのは、今まで当連載でインタビューさせて頂いた方々が共通して発言されていました。

MBS村田氏 MBSは「Live配信部屋」を持っており、社内サブアウトなどの回線信号をセレクトしてCambria Liveから配信するという形が一般的ですが、場合によってはLive ShellやOBSといった機器やソフトを利用して、スタジオや収録現場から簡易的にLive配信することも可能です。最近は社内各所からLive配信をしたいという相談を頻繁に受けますが、我々ITビジネス部のリソースも限られているので、全てのオーダーに応えることはできません。

 それぞれのコンテンツに適した配信方法を、社内のコンテンツ担当者にレクチャーすることで、自分達の手でカジュアルにLive配信を行えるように働きかけています。結果、MBSのコンテンツを配信で輝かせることが、以前に増して実践しやすくなっています。

BC土屋 なるほど、徐々に仲間を増やしていくということですね。それでは、どのようなタイミングで社内の相談を受けるのでしょうか?

MBS村田氏 そこに関しては、現状我々は受け身ですね。例えば、eスポーツの大会『YUBIWAZA CUP』は営業主導で企画されていきましたが、企画していく途中で同部署から「Live配信したい」との相談を受けました。それに対して実現方法を我々から提案した結果、その内容が企画にされていき、スポンサー様向けのセールスシートに組み込まれました。

BC土屋 それでは、結果についてのコミュニケーションは企画部門とであるのでしょうか?

MBS村田氏 勿論です。まだまだ他社に比べるとアナログですが、Video Cloud等各種アナリティクス等から視聴データ、属性データを取得し、結果を関係各所に共有し改善に努めています。特にポジティブな結果は積極的にアピールしてモチベーションアップに繋げたい思いがあります。データの取得や可視化については、まだまだ道半ばですが、実現に向けてかなり具体的に議論されている最中ですね。社内に対してWeb配信の効果を分かりやすく伝えることは、今後も必ず重要になってくると考えています。

今まで以上にデータを収集し、どの施策が集客に効果的なのかを分析

BC土屋 今後、Live配信については、どのような部分を改善・注力されていく予定でしょうか?

MBS村田氏 課題としては、どのように告知するかが長年の悩みです。Live配信を各部署と調整の末、技術的に無事配信させることはゴールではありません。どれだけの人にどうすれば見てもらえるかが重要です。ただ配信技術担当の守備範囲としてはどうしてもこの辺が後手になってしまうのも事実です。SNSを利用するなど、どのように情報発信するのが最適かを真剣に検討する必要があると感じています。今まで以上にデータを収集し、どの施策が集客に効果的なのかを分析・活用したいと考えています。

BC土屋 告知についても、ITビジネス部の職務になるのでしょうか?

MBS村田氏 細かいことを言えば、分析データは営業にも役立つ資料ですし、告知はPR部門の領域でもあります。とはいえ、ITに関することはITビジネス部が横断的に関与する必要があり、積極的に関与しています。

 新しく挑戦しようとしていることはチャット機能です。チャット自体はイノベーティブなことではないですが、一般的に世の中に浸透していて良いものを、サービスに取り入れていきたいと考えています。Live配信にはコメント機能が無いと寂しいというのもありますし、インタラクティブな要素を意識しています。今年、ブライトコーブさんの主催されるPLAY 2019に参加した際にも強く感じました。

BC土屋 PLAYは参加されていかがでしたか?

MBS村田氏 一言でいえば、めちゃくちゃ面白かったですね(笑)。動画配信に関する最新の知識が取得できるのもありますが、日本のメディア関係者も一堂に会する場所なので、各社取り組みを聞くことができ、議論できることが非常に有意義です。正直、大阪にいると、東京から取り残されているような感覚に陥ることもあります。PLAYのような場に情報を取りに行くことで、刺激を受け、アイデアに繋げることができました。ただ語学力の壁にぶつかって、度々歯痒い思いをしたのも事実です。もっと英語を喋れるようになって、日本の放送局のプレゼンスを上げていきたいですね!

村田さんの好奇心が、職場の風通しと相まって、今後もどんどん面白い企画やサービスがMBSから生まれることを期待させるインタビューでした。
次回のVideo Addictは、スポーツイベントのネット中継を行うrtv須澤様を予定しています。お楽しみに!


インタビューを終えて

BC土屋

今回は、多くのライブ配信や会員制の配信サービスを担当されているMBSの村田さんにお話を伺いました。MBS様は社を挙げてインターネット配信に取り組まれており、会社の一体感はテレビ局の中でも一二位を争うのではないでしょうか。 会議ではビジネス、技術双方の意思決定者が参加されることが多く、時には現場の技術者だけではなく、営業の方も交え非常にスピーディでクリアに物事が決まっていきます。
人事・組織論などは名目的な話が多いイメージがあり個人的には苦手でしたが、MBS様の施策はそれぞれの役割に適正な裁量と熱量がある事で、ここまでスムーズに動くのかと驚きます。

そのような中、やるべき事を現在のリソースやソリューションで淡々と進めているのが村田さんです。例えるとすれば、村田さんはスポンジのような方で、我々が色々な事を様々な側面でお話するのですが、どれも全て聞いていただいて吸収されています。 「この前、聞いたアレ、こうやって進めているんですよ」
といったことが何度もあり、本当に柔軟かつパワフルな方です。
いつお会いしてもニコニコされていて、我々にとってはオアシスのような方ですね。


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