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By Terry Taniuchi

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動画計測におけるKPI

Marketing

マーケティング活動への動画利用を促進するVideo Cloud、これから複数回にわたりWebマーケティングへの動画活用方法や事例などをご紹介していこうと思います。今回は動画計測におけるKPIのご紹介、またそれらをVideo Cloudを使って計測する方法、および改善事例を紹介します。

KPIの前に

本題に入る前に、KGIやKPIツリーという考えについて改めて書きたいと思います(分かっているよ、という方は読み飛ばして下さい)。さまざまなサイトで書かれていますが、サイトの目的が何なのかによってKGI(Key Goal Indicator、いわばサイトのゴール)やKPIツリー(例えば下のようなロジックツリーによってKGIと施策の関係を明確にする)が変わってきます。KPIはあくまでKPIツリーで言うと右端の施策を行うための1指標に過ぎないため、KPIから話を進めるとKGIとずれてしまうことがある、ということはよく言われています。とはいえ一般的にどういうKPIを用いているのかが分かるとKPIツリーを作りやすい(施策および効果測定をイメージしやすい)というのもあるので、今回は動画に関する一般的なKPIについてご説明します。

代表的なKPIは3つ

動画もテキストや画像と同じようにPVはとても重要なKPIです。一方、テキストや画像と異なる「長さ」という性質があるというのは前回の記事に書きましたが、そのために取られる特別なKPIとして下記3つが挙げられます。

再生率

動画は、動画プレーヤーが掲載されているページが表示され、かつ再生されて初めて動画内容が訪問者に届けられます。再生率は、動画プレーヤーが表示されたうち、再生された割合を示します。そういう意味ではメールの開封率に似ています。つまりメールが届いて(=動画プレーヤーが表示されて)、メールをクリックし開封する(=再生ボタンをクリックし再生する)ときの割合が開封率(=再生率)となります。

完視聴率

再生された動画が最後まで視聴された割合を示します。最後まで見られる動画=より訪問者を惹きつける魅力的な動画と言えるでしょう。

エンゲージメント

一部完視聴率と定義が重なりますが、エンゲージメントは途中経過の様子をグラフ化したものになります(縦軸が総視聴者数、横軸が動画の時間軸)。例えば下記のようなグラフで、左の場合は横軸が右端近くまで一定の割合なのに対し、右は動画の冒頭でがくんと減っています。つまり左は動画の最後まで一定数の訪問者が見続けた魅力的な動画ですが、右は最初に大きく離脱してしまっています。右では冒頭の動画を見ただけで「面白くない」「変化が少なくて飽きる」と判断されているのでしょう。

動画KPIをWeb解析に応用

上記が動画独特のKPIですが、それ以外はWebの解析手法をそのまま活用できます。例えば代表的なものは下記になります。

 

セグメント分析

例えば動画毎やデバイス毎にどのような傾向があるかを調べます。例えばPCよりモバイルからのアクセス(=PV)が多い場合には、モバイル向け動画に最適化する、などが挙げられます。またモバイルの完視聴率やエンゲージメントがPCより低い場合、モバイル視聴に適していない(例:動画が小さすぎる、動画内の文字が小さすぎる)可能性があります。

 

弊社Analyticsモジュールではプレーヤー毎の傾向を調べることも出来ますので、Webページに掲載するコンテンツよって利用するプレーヤーを分ければ、コンテンツ毎の傾向を調べられます。例えば取り扱う製品カテゴリーによってプレーヤーを分ければ、製品カテゴリー毎の再生傾向を把握できます。またサイズの異なるプレーヤーをいくつか用意すれば(例えば縦320px横240pxと、縦640px横480px)、動画のサイズが訪問者に与える影響を調べられます。

 

また外部解析ツール(Google AnalyticsやAdobe Analyticsなど)と連携し、外部解析ツールのセグメント(ユーザー属性や行動属性など)を利用して分析を進めているお客様もいらっしゃいます。

 

パス分析

外部解析ツールとの連携が必須になりますが、いわゆる入口、出口分析をすることができます。入口分析では関心の高い動画を確認でき、また出口分析では離脱の多い動画を確認できます。またページ構成にもよりますが、訪問者がどのような流れで複数動画を巡っていったかも確認可能です。

 

コンバージョン貢献度(アトリビューション)分析

こちらも外部解析ツールとの連携が必須になりますが、動画毎のコンバージョン貢献度を計測することで、貢献度の高い動画をより上階層に、かつファーストビュー内に持ってくる、というような施策を取れます。

 

さてこれらのKPIに基づいた改善例をいくつかご紹介します。

 

KPIに基づいた改善例(エンゲージメント)

コクヨ株式会社様ではコクヨチャンネルという自社メディアを通じて、製品PRを行っており、弊社Video Cloudをご活用いただいています。動画は冒頭に共通のオープニング(数十秒)+本編(数分)という構成になっていて、このオープニングの長さがエンゲージメントにどう影響するかを調査しました。

 

その結果、オープニングが長い(35秒程度)パターンと短いパターン(20秒程度)では、短いパターンのほうがエンゲージメントが高くなるという結果を得ました。これより、以降の動画ではすべて短いパターンのオープニングで制作するようにしたそうです。

 

こういう解析を行う前から「すぐに本編に入るほうがいいのかも」という仮説は立つかも知れませんが、それを支える実績データが確認できたため、制作サイドへより説得力をもってフィードバックできたというPDCAの例になります。

 

また、ジャパネットたかた様では自社WebサイトにてECサイトを展開されておりますが、商品の紹介動画を弊社Video Cloudにて管理、配信されております。掲載を始めた当初から「商品動画はあまり長くても見られないだろう」という感覚はお持ちでしたが、果たして何秒が適切なのかが分かりませんでした。そこで様々な長さの動画を掲載し、それをVideo Cloudのエンゲージメント解析を用いた結果「45秒」が適切であると判断し、現在は「45秒動画」としてサイト上で展開されています。

 

KPIに基づいた改善例(セグメント分析)

デバイス毎の傾向を見て、サイトへフィードバックする例もよくあります。例えばWeb解析ツールではモバイル割合が多い一方、Video Cloudの解析ではそれほどモバイルが多くない、またはPCのほうが多いというケースがあります。どういった動画を掲載するかによってこの割合は大きく変わりますが(長い動画はPCで見られる傾向が高い、など)、モバイルの視聴数、並びにエンゲージメントも低い場合にはモバイルユーザーにとって見づらい動画だということが考えられます。

 

例えば動画の構成上、大きな画面で見ないとよく分からないものとか、単純に動画内のテロップ等が小さくて見えない、などが挙げられます。特に最近はモバイル端末の「縦視聴」が増える傾向にあるので、再生プレーヤーが本当に小さくなってしまいます。しかしこの仮説に基づいて動画制作にフィードバックすれば、モバイルからの訪問者のエンゲージメントを高められるかもしれません。

 

KPIに基づいた改善例(コンバージョン貢献度)

外部解析ツールと連携し、動画のコンバージョン貢献度をページ制作に活かしている企業もしばしば見られます。動画を視聴して会員登録コンバージョンに至った際の動画を計測し、貢献度の高い動画をより露出を高めたり、ファーストビューに配置する、という施策です。これにより効率的に新規会員登録数を伸ばせたという結果が報告されています。

 

解析をするには通常なんらかの準備(解析タグの埋め込み)が必要ですが、Video Cloudの動画解析機能はその手間が要らないので、弊社プレーヤーを公開したその日から解析データが自動収集され、解析業務を行うことが可能です。解析結果はVideo Cloud Studioで確認する方法と、メールで定期的に受信する方法があります(メールでの受信はEnterpriseエディションご契約のお客様の機能になります)。またより深い解析を行う場合は、Google AnalyticsやAdobe Analyticsのような外部解析ツールと連携する方法があり、弊社ではそのための連携プラグインも提供しております。

 

次回は、デジタルマーケティングでよく行われるプレーヤーのカスタマイズについてご紹介します。


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