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By Nao Tsuchiya

Principal Technical Consultant at Brightcove

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//Video Addict// Vol.6 rtv 須澤氏 (後編)〜ローカルと人材育成にフォーカスした取り組み〜

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Video Addict Vol.6 前編では、株式会社rtv(以下rtv)須澤氏のローカルスポーツや地域振興に対する熱い思いをお話しいただきました。後編は、rtvの事業についてお話し頂きます。

ターニングポイントはテレビ局との取組

ブライトコーブ(以下BC)土屋 今まで数々の現場でLive配信を実施されたと思いますが、ここまで成長されるにあたって、何か失敗してしまったことや、大変だったこと、ターニングポイントはありますか?

rtv須澤氏 失敗したことは、あまり思いつかないですね(笑)

BC土屋 それは凄いですね(笑)

rtv須澤氏 動画配信自体が落ちてしまった...という経験はありませんが、アクセス増に伴い、過去に何度かWebサーバー自体が落ちてしまったことはあります。

 広告配信をしていた訳ではなかったので、大ダメージがあった訳ではありません。ただ、少し甘くみていたので、現在はAWSのEC2を利用するなど対策をして、同じような問題が発生しないようにしています。動画サービスを管理者としては、根本的なことかもしれませんが、スモールスタートの事業でもあるのでコストパフォーマンス重視で細かくバランスみた結果、予想以上の流入があったためでした。

 大変だったことは、つい先日eSportsのLive配信を実施したことです。YouTubeを利用して1080/60fps(画素数 1920 x 1080、1秒間に60フレーム)で配信する必要があったのですが、我々がローカルスポーツ配信する際に60Pを利用することは少ないので、本当に上手くいくかは本番まで心配でした。結果、全く問題なく配信できましたが、機材の選定や検証に時間を要しましたね。ただ今後増えると思うので、良い取り組みになりました。

BC土屋 OPENREC.tvTwitchなどゲーム配信プラットフォームでは60fpsをサポートしていますが、まだまだ多くないですね。スポーツもビットレートが高い配信が多いと思いますが、スポーツ中継ならではの苦労話はありますか?

rtv須澤氏 色々と検証をした結果、1280 x 720の3Mbps程度で配信しています。カメラも放送機材ではなく安価なカメラなどを使用しているので、元々の画質がそんなに良くないのですが、できるだけ見劣りしないように少し高めのビットレートで配信しています。

 ターニングポイントとしては読売テレビ(以下 ytv)さんとの取組である『あすリートチャンネル』です。我々と放送局では、予算やクオリティといった面で次元が違いますし、放送局がやらないようなことにスポットを当てる活動をしていたので、ytvさんと一緒にお仕事することは想像していませんでした。ただ、これがきっかけで、他の放送局のみならず、新聞社にもお声がけをいただき協業できるきっかけとなったので、我々にとっては成長に繋がる大きなターニングポイントでした。

目指していることは、あくまでもローカルスポーツの活性化や地域振興

BC土屋 rtvの事務所をytv内に新設された現在(2019年8月に事務所をytv新ビル本社に新設)、どのように事業を成長させていこうと考えられているのでしょうか?

rtv須澤氏 rtvがytv内にオフィスを新設したことは、関西のテレビ局はじめ、他のメディアで様々な憶測が飛び交っているかもしれません(笑)。逆に、どのような反応をいただけるか我々も楽しみです。ytvさんにお声がけいただいた際に、どこまでテレビ局と一緒に協業できるかを試してみたいという気持ちもありましたし、テレビ局のやり方に対して真っ向から勝負してみたいというワクワク感もありました。お互いのメリットをうまく協業にいかすことができているかと思います。あと、グループや大きな資本関係がある訳ではないので、その辺りは中立的に仕事をしています(笑)

 我々が目指していることは、あくまでもローカルスポーツの活性化や地域振興です。今後、各種スポーツ競技団体に対してアプローチしていくにあたり、我々がテレビ局と協業していることは大きなブランド力となります。我々が元来持つ『クオリティの高さ』、『コストパフォーマンス』、『コンテンツ展開のコンサル』を訴求していきたいと考えています。

Live配信の業界をローカル視点で盛り上げていきたい

rtv須澤氏 新たな事業という意味では、教育事業の立ち上げを模索しています。スポーツだけに限らず、実況、Live配信、記事制作、マーケティングなどのトピックに興味のある学生を集めて、知識を共有・体験するコミュニティを作ろうとしています。詳細は、まだあまり詳しく言える状況ではないのですが、競技団体や大学、テレビ局と相談しながら進めています。

BC土屋 その事業は、どのような目的によるものなのでしょうか?

rtv須澤氏 動画での発信をする上で全てを外部の会社などに便りきるのではなく、まず自分たちでできることがあるということを広めたいというのが目的です。あとはとにかく関西では人材が枯渇しているので、人材の教育と情報共有が目的です。

BC土屋 YouTubeなどの動画SNSが世の中に浸透している現在、人材は逆に増えているのではないでしょうか?

rtv須澤氏 YouTubeを見ている人は多いですが、実際にYouTuberとして活躍している人は一握りですし、学校がある訳でもありません。また「伝える」といった目線での表現方法は少しテクニックが必要かなと思っています。スポーツ競技団体のみならず、一般企業の広報部門等にも動画マーケティング担当者がいる会社は少ないので、ニーズがあるのではと考えています。単に教育するだけではなく、相談し合えるようなコミュニティを作ることで、もっと関西から優秀な人材を輩出したいですね。

BC土屋 インターネットで配信する事に地理的な制約はかなり少なくなってきていますが、どうしても現場でのトラブルシューティングなどは体験しないと学べません。御社を通して本格的なライブイベントに画作りから配信までを体験できるのは確かに良いですね。お話いただいたような取組が日本中に広まることで、場所を問わず、良いコンテンツを日本のみならず世界に見てもらえるようになっていきますね。

rtv須澤氏 そうですね。インターネットメディアの基本は、検索しなければたどりつかないという考え方もあります。我々はローカル局・ケーブルテレビ局のような考え方で、興味関心に合わせて小分けしたインターネットメディアにした方が、興味関心度が高く熱心なユーザーが世界から集まるというメリットがあると考えています。それができるのもインターネットの利点ですし、広告価値も違った視点ができます。そういったことを表現していきながら、Live配信の業界をローカル視点で盛り上げていきたいと思います。

『動画』という側面から、ローカルスポーツのみならず、地域の活性化を支援するrtv 須澤氏の取組や構想には驚かされるばかりです。今後も同社の取組は、現在スポットライトが当たっていないコンテンツのファンを増やし続けていくことでしょう。


インタビューを終えて

BC土屋

今回は、新設されたばかりのオフィスで、rtv須澤社長にインタビューをさせて頂きました。2014年に須澤さんからお問い合わせを頂いて依頼、主にライブ配信を目的としてブライトコーブとお付き合いを頂いています。
動画配信という共通点はあるものの、現場運用のみならず、企業経営もこなす方へのインタビューということで、いつものVideo Addictとは少し異なる内容になりました。インタビューを通して、日々感じられているであろう社会においての役割・責任、その様な中でも事業を飄々と前に進めている強さを感じました。


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