Video Addict Vol.4の後半は、GYAO!のライブ配信に関する取り組みについて。
### 年間約50本のライブ配信を行っている
**ブライトコーブ(BC)土屋**:GYAOに入ってから、チャレンジングな取り組みはありましたか?
**GYAO本庄:某アイドルグループのコンサートを多角的にライブ配信しました。準備期間も含めて、面白い仕事ができたと自負しています。先ほど([前編](https://www.brightcove.com/ja/blog/2019/09/video-addict-vol4-gyao-1)参照)お話したように、前職でマルチアングル放送の経験はありました。しかし、個人的に今回のコンサートでチャレンジだったのは、映像制作に携われたことです。通常、このようなコンサートでは、アーティスト側の制作スタッフやカメラクルーが撮影を行い、私たちは配信側だけを担当します。今回はGYAO!側からどういう映像を撮りたいかというディレクションがあり、それをマルチアングルで配信しました。
**BC土屋 普通、映像を作る側と配信する側というのは、スキルも含めて役割分担がはっきりしていると思うんです。これは本城さんがやりたかったことですか?
**本城GYAO***そうです。Ustream Asiaに在籍していたときは、インターネット動画配信のための映像の作り方をアドバイスする立場でした。見やすく、見やすい撮り方をアドバイスする側だったので、GYAOでもやってみたいと思っていたことでした!
**現在、GYAO!では年間何本の生中継を行っていますか?**GYAO本庄
GYAO本庄**:年間50本くらいで、週に1回くらいです。**BC土屋:そのすべてを監督されているのですか?
**GYAO本城:いや、生放送の担当は他にもいます。コンテンツホルダーとのやり取りをする調達チームもありますし、外部パートナーはオペレーションを担当しています。生放送のウェブページを作る担当も何人かいます。プロジェクトごとにプロジェクトチームが組まれている感じですね。
**BC土屋** 2014年からこのような頻度、体制でライブ配信を続けているのですか?
**GYAO本城*** 2014年当時は月1回でした。人事異動もありましたが、ライブの企画が増えるにつれて頻度も増え、今の体制になりました。
**BC土屋** なるほど。いずれにせよ、土屋さんが配信されるイベントの質と量を見る限り、ライブ配信のテクニカルディレクターとしては日本トップクラスですね。### 魅力的なコンテンツでなければ、見てもらえない**
**BC土屋**さんがGYAOで配信してきたライブイベントの数々!
**GYAO本庄 **昔はネットでライブ配信自体が珍しかったので、ライブ配信をすれば見てくれる人がいました。ただ、ここ2、3年は魅力的なコンテンツじゃないと見てもらえないという感覚があります。そのため、常にユーザーファーストを意識し、ユーザーが見たいもの、見やすいものを意識し、魅力的なコンテンツを配信しています。コンテンツそのものだけでなく、配信する際のビットレートをどうするかとか......例えば、今はスマホユーザーが圧倒的に増えているので、小さい画面でいかに低ビットレートでもきれいに見えるかということを意識しています。
**土屋: そうですね。昔は生放送をやると告知するだけで、いろいろなネットメディアが取り上げてニュースになっていました。今はUGCメディアが多いので、どうしても埋もれてしまう。生放送が増えるにつれて、現場での運用方法に変化はありますか?
**GYAO本城:昔は現場にわざわざネットワーク回線を用意しなければいけなかったのですが、今は会場にすでに回線があることが多いですし、帯域も広くなっているので、自由度が増した印象があります。
**BC土屋:昔は回線工事の指揮もお仕事だったんですよね(笑)
**GYAO本城: そうですね。厳島神社で生中継をしたときに、回線工事の指揮をとりました(笑)。宮島ではインターネット回線が足りなかったので、NTTに相談して3カ月かけて回線を用意してもらったのは、今となってはいい思い出です。
### 常にユーザーのことを第一に考えている*** *
*BC土屋: 今はどんな生放送があるんですか?
**GYAO本庄:音楽が多いですね。
**BC土屋また、ライブ配信の集客に困っている方も多いように感じます。GYAOさんのプロモーションはどうされていますか?
**GYAO本庄:基本的には自社ポータルサイトとSNSですね。
**BC土屋:最後にGYAOの今後の展開についてお聞かせください!
**GYAO本庄:常にユーザーのことを第一に考え、楽しんでもらえるコンテンツを提供していきたいと思っています。また、個人的にエンタテインメントが好きなので、映像を使った新しい表現や商品を作って、ユーザーに喜んでもらいたいです!**!

** GYAO!は日本の映像配信サービスとして長い歴史を持つ。本城氏は、日本の映像配信サービスの黎明期から携わってきました。今後、GYAOがどのような新しいサービスを提供していくのか楽しみだ。次回のVideo Addictは、毎日放送の村田さんです。お楽しみに!
- インタビューを終えて__
BC土屋__ 本城さんとは、2018年の弊社イベントにテレビ東京の段野さん、毎日放送の濱口さんとともに登壇していただいて以来、じっくりとお話しする機会がありました。とても真面目な方という印象です。何らかのマネタイズが発生するプレミアムライブ配信は、動画配信の施策の中でも最も難しく、とても緊張します。私のように10年以上動画配信に携わっていても、なかなか慣れないものです。しかし、本城さんの経験と職人気質があれば、彼がディレクションしてくれても安心だと心から思います。週末、一息つきながらフェイスブックを開くと、本城さんがライブ配信のイベントで機材のセッティングや撤収をしている投稿があり、「お疲れ様でした......」と思いながらそっとアプリを閉じました。インターネットが便利になり、いつでもどこでもあらゆるコンテンツが見られるようになりました。しかし、その裏には必ずコンテンツ制作の重要な仕事をしている人たちがいます。