HTML5 動画がプラグインより優れている理由
2007 年に完成度の低い video 要素が最初に提案されてから、長い時間が経過しました。動画エレメントが 登場する前は、インターネット上の動画はプラグインを使って配信されていました。この種のプラグインで最も人気があったのは Flash でした。Flash は今でもブラウザーに動画を配信する方法としては最も多用されていますが、HTML5 動画への完全な移行は時間の問題です。HTML5 と HTML5 ファーストの動画プレーヤーの利用には多くの利点があります。しかしその詳細についてお伝えする前に、これまでの経緯と今後の流れについて簡単に説明します。
プラグインの問題
Flash が問題なく機能するのに、別な方法がなぜ必要なのかという声をよく耳にします。
video 要素が登場する前は、動画を配信する唯一の方法がプラグインでした。一部のプラグインは目的が限定されており、たとえば Quicktime や Real はメディア再生専用でした。一方 Flash は、各種メディア タイプと完全なアプリケーション フレームワークに対応していました。その結果、Web 開発者はメディア配信だけでなく、ゲーム、アニメーション、音楽を含む豊富な Web サイトの構築にも Flash を使い始めました。こうして完成した Web サイトはほとんどのデスクトップでは問題なく機能しましたが、一部のデスクトップで Flash エクスペリエンスが低下したことで、問題の兆候が表れ始めました。
Flash は最終的に膨大な数の Web サイトで利用されるようなりましたが、同時に、Web にアクセス可能なデバイスの数も爆発的に増加しました。この種のデバイスの人気が高まったことで、レスポンシブ デザイ ンという考え方が生まれました。これは、あらゆるデバイスの画面とユーザー インタフェースに順応できるインタフェースを備えた Web サイトの作成を意味しています。レスポンシブ デザインは、Flash を使用したサイト開発での制約を排除するための試みでした。開発者中心で、標準的な Web 技術である HTML5、CSS、Javascript を重視した新しいムーブメントが発生しました。(もちろん Flash に断固反対し、自社のモバイル デバイスに Flash を受け付けないという Apple のスタンスも忘れてはなりません。)
iOS と Android は今後も Web トラフィック全体のシェアをさらに拡大することが予想されるため、レスポンシブ デザインと video 要素のようなコア ブラウザー技術は拡大し、今や不可欠なものになっています。HTML5 ファースト動画にはこの他にどのような利点があるのでしょうか?
デバイス サポート
人々は動画をあらゆる場所で視聴します。画面付きの様々なデバイスが動画配信先となり得るので、それらのデバイス向けに動画を作成することが成功の鍵です。HTML5 動画によって、デバイス メーカーは自社のデバイスで動画を簡単にサポートできるようになります。Video JS のような HTML5 プレーヤー技術を使えば、どこでも機能する単一プレーヤーを簡単に導入することができます。
開発者に優しい
HTML5 動画と HTML5 ベースの動画プレーヤーによって、開発者は HTML、CSS、Javascript などのコア Web テクノロジーを使用して、あらゆる画面に素晴らしいエクスペリエンスを提供することができます。Web サイトの作成とスタイル構築を担当する開発者が、プレーヤーでも同じ作業に 従事することができます。
電力消費
HTML5 動画は「プラグインで稼働」するのではなく、デバイスのコア ソフトウェア自体にプラグインされています。たとえば、Safari で HTML5 を使用して OS X 上で稼働している Netflix は、Silverlight よりも 2 時間長く機能します。OS の利用によってハードウェア アクセラレーションを使用し、電力消費を大幅に削減することができます。
オープン テクノロジー
オープン テクノロジー標準を活用することで、より多くの開発者がソフトウェアを作成でき、エクスペリエンス改善が加速します。Video JS は世界で最も優れたプレーヤーを作成するために結成された、巨大なオープン ソース コミュニティの 1 つです。
HTML5 はインターネット動画の配信に大きなインパクトを与えました。そして今後数年間はこの流れが続く予定です。世界屈指のオンライン動画企業であるブライトコーブは、オープンで標準化された動画配信アプローチに向けて世界をリードしています。