メディアのためのブライトコーブ 2017 年マニフェスト:動画からの潜在的売上を 50% 以上増加させる
注記:本記事は『エクスペリエンスと経済性:メディアのためのブライトコーブ 2017 年マニフェスト』の補足記事 (2) です。マニフェストの全文はこちらから PDF でダウンロードできます。
1987 年公開の映画「ウォール街」の主人公、ゴードン・ゲッコーの金言「やる価値があることとは、金のためにやる価値があることだ」を思い出してください。ほとんどのオンライン動画においてこの言葉は真実ですが、私たちにとってはあまりにも長い間、非常に困難なことでした。お客様が動画から得る売上を 50% 増加させるための、2017 年のブライトコーブの重点分野は次の通りです。
広告の配信を改良する。何百万人もの視聴者が動画視聴に利用するデバイスはますます多様化しており、単一フォーマットの動画ではすべてのプラットフォームでの視聴に耐えられなくなっています。ストリーミング動画への広告挿入が始まったばかりの頃は、広告の呼び出しや、番組から広告、広告から番組への切り替えは、クライアントサイド広告挿入(CSAI)と呼ばれるプロセスを通して、すべてプレーヤー内部で行われていました。このアプローチでは、より関連性の高い広告に絞って表示するためにブラウザーのクッキーを利用できましたが、動画エクスペリエンス全体に影響を与える問題にもつながりました。広告動画は番組よりも大きく劣った画質で配信されていたうえ、同じ広告がセッション中何度も、あるいは 1 回の広告配信タイミングに何度も繰り返し流れることも多かったのです。CSAI は待ち時間も増やしました。これは広告ネットワーク(時には複数の広告ネットワーク)が広告を決定して配信するまで、プレーヤーが待たされることが非常に多かったからです。クライアントサイドで実行されるテクノロジーであったため、それぞれのクライアント(ブラウザーやデバイス)ごとにその開発、テスト、そしてデバッグを行う必要がありました。誰にも感謝されることのない膨大な労力とコストがかかる上、現代のように細分化した世界においては、一貫性のある、かつエラーのないエクスペリエンスを提供することは不可能でした。CSAI を長年にわたって支えてきたのは、その普及率とブラウザー間での安定した一貫性を背景にした Adobe の Flash テクノロジーでしたが、今やブラウザーから取り除かれつつあります。米国の広告業界団体 IAB(Interactive Advertising Bureau)は現在、2017 年 7 月までにすべての広告を Flash から HTML5/JS に移行させようとしており、既にブライトコーブでは 1 年前から HTML5/VPAID.JS による広告をサポートしていますが、私たちは別の方法に力を入れていきたいと考えています。
これまでに、SSAI のほうが CSAI よりも優れたエクスペリエンスと収益化のためのプラットフォームを提供することをみてきました。ターゲット化と各個人に合わせるという点で、SSAI のアプローチには、レガシー CSAI アプローチと異なる点が確かにあります。しかしブライトコーブでは、そのようなギャップを 2017 年には取り除き、改良し、あるいは問題にならないようなものとするため全力を尽くしており、IAB や広告主、パブリッシャーと協力し、潜在的な収益力を最大化するための新たなアプローチとベストプラクティスの明確化に取り組んでいくことにしています。
最後になりますが、もちろん他と同様に重要なことは、広告ブロッカーによって CSAI が直面する問題です。放送局やパブリッシャー、プログラマーの多くは、動画視聴の実に 3 分の 1 が、このテクノロジーによって劣化させられているとしています。ブライトコーブの SSAI なら、このような懸念を軽減し、プラットフォームやデバイス、ネットワーク、あるいは広告ブロッカーのようなテクノロジーがもたらす潜在的なハードルにかかわらず、お客様がオーディエンスにリーチし、収益化することをお手伝いできます。また、ブライトコーブは業界大手の DoubleClick for Publishers、FreeWheel、Tremor Video、SpotX、Rubicon をはじめ、その他多くの企業と協力しています。こうして協力し合うことにより、SSAI の実装をこれまでになくシンプルに、そして効果的なものにします。
このような取り組みは、ビジネスに実質的な影響をもたらします。オンライン動画資産の SSAI への切り替えによって実際の売上が増加していることを、私たちは現実に目にしているのです。MediaWorks はニュージーランド最大の独立系放送局で、ラジオ、テレビ、デジタル、およびライブ プラットフォームにわたる、ブランド力のある広範なポートフォリオを通して、地域内の人口の 96% にリーチしています。同社がブライトコーブと提携し、資産を SSAI へ切り替えたところ、収益化可能なインベントリは 35% 増加しました。しかし、これは出来事の表面的な部分にすぎません。MediaWorks の最高情報製品責任者(Chief Information and Product Officer)である Tom Cotter 氏は、ブライトコーブのテクノロジーを利用する上での収益化以外のメリットについて、次の点を挙げています。
ローエンドデバイスへのリーチ
動画視聴に費やされる時間の増加
広告ブロッカーの回避
開発費用の削減
MediaWorks が保有するすべての動画を SSAI に切り替えたことで得られたプラス効果に関する、Tom Cotter 氏の分析を示したスライドがありますのでご覧ください。
ブライトコーブは 2017 年に、MediaWorks が VOD において達成したものと同様の成果をすべてのお客様に上げていただきたいと願っております。またライブ イベントや 24 時間 365 日ライブ チャンネルをホストするお客様にも、同じメリットを提供できる新たなサービスを開始いたします。SSAI でのライブ配信は、当社のお客様にとって大きな、しかも拡大し続ける好機です。ブライトコーブが投資してきた、広告挿入やクリッピング、DRM、そしてクラウド DVR 機能を管理する API が、2017 年のインベントリ成長を後押しすることになるでしょう。
レコメンデーションとパーソナライズ化は、ウェブ動画における大きな課題の一つに対応するためのものです。つまり、パブリッシャーが大金を費やして視聴者を集めても、その視聴者のほとんどは 1 回の動画視聴後にどこかへ行ってしまうという課題です。ブライトコーブは、お客様が視聴セッションごとの広告料金の発生するビューの数を増加させ、所有・運営しているサイトやコンテンツの価値を上げるお手伝いをするため、IRIS.TV と提携しました。IRIS.TV は、マシン ラーニング(機械学習)を利用して魅力的なコンテンツをリアルタイムに配信することで、お客様がプレーヤー自体の中で視聴者とより良い関係性を結べるように手助けをします。このことは、邪魔されない、脈絡のある高品質な動画エクスペリエンスこそが、驚異的な結果を生み出していることを意味しています。ブライトコーブのお客様の中には、この機能をオンにしただ けで視聴回数(ビュー)が 50% 以上増加したところがいくつもあり、Forbes はその素晴らしい事例です。
「2 週間前に、記事ページで IRIS.TV の動画プレーヤーを利用し始めました。IRIS.TV のプラットフォームは、パーソナライズ化エンジンを使ってユーザーの視聴パターンに応じた関連する動画コンテンツを探し、提示します。新しいプレーヤーは、導入当初から素晴らしい成果を挙げています。過去 1 週間の動画レコメンデーションの結果、動画ビューは 465% 増加し、87% のユーザーはレコメンドされたビューを含むエクスペリエンスを完了したのです。」(Nina Gould、Forbes スタッフ)
オンライン動画のエコシステムは豊かで複雑なものです。パブリッシャーに非常に多くのオプションを与えてくれますが、同時にオプションごとにツールやサービスを探し、統合し、維持し、調達し、契約するという重荷を負わせます。オンライン動画サービスを運営するための維持管理総経費(TCO)に、それぞれがまとまった負担となってのしかかります。これこそ、Brightcove Player と Video Cloud に直接 IRIS.TV を組み込むことを決めた理由です。それも、お客様が調達、契約、統合の作業などの面倒なことを何一つしなくとも、単純にオンにすれば使えるオプションとして組み込みました。ROI は高いですが、採用のコストは抑えられます。
シンジケーションは、成功しているオンライン動画事業での利用が増加している、もう一つの収益機会です。質の高いコンテンツのインバウンド動画シンジケーションは、新たなインベントリを作り出し、視聴者をサイトに繋ぎとめます。アウト バウンド動画シンジケーションでは、パブリッシャーはコンテンツへの投資に対してより多くのリターンを得ることができます。つい最近まで、どちらも複数のシステムが必要で、開始にこぎつけるだけで面倒なものでした。実際に利用できたのは、すべての設定を行ってシンジケーション事業を管理することができる、十分なスタッフを抱えた大企業だけでした。ブライトコーブのパートナー、Vemba の技術を搭載し Video Cloud にビルトインされた Brightcove Marketplace なら、これが容易になります。Video Cloud をご利用のお客様にとって、コンテンツをシンジケートを通して配信するときに使用したい動画やプレーヤー、適応したいビジネスルールを選んだり、マーケットプレイスからのコンテンツでライブラリを補完するといった作業は、どちらも簡単に行えることです。さらに、トラッキングや解析、取引決済といった課題はお客様の負担ではなくなります。これまで提供されていたモデルと比較して、柔軟性とチャンスという意味では、これは大きな前進に他なりません。
お客様が動画から得る売上を 50% 増加させるという目標が、ブライトコーブの 2017 年メディア向けマニフェストの全体や、お客様をサポートするための 2017 年の計画においてどのような位置づけとなっているかについては、こちらをお読みください。