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ライブ動画のマネタイゼーション

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動画で収益を得ているあらゆる組織の間で、重要なメディア戦略としてライブ動画ストリーミングの活用が急増しています。オンデマンド動画が今でもコンテンツとその収益の大半を占めていますが、メディア企業はライブ動画のさまざまなメリットも見出しています。たとえば、ライブ イベントをオンラインでブロードキャストすることで、ショーへの感動を呼び起こしたり、視聴者、広告主、収益をより多く呼び込むことができるプロパティとなるだけでなく、オンデマンド コンテンツにもプラスの効果が発生します。これはライブ イベントの視聴者は最終的にオンデマンド カタログも閲覧することが多いためです。

ところが、多くの動画配信業者にとって驚きなのは、ライブ動画のマネタイゼーションが、オンデマンド動画で培ったやり方と異なり、もっと難しい場合があるという点です。これには考慮するべきいくつかの側面があります。

ライブ動画タイプ 
大まかにいうと、ライブ動画の配信は、イベント型と常時型に分類されます。24 時間の常時チャネル(「ライブ リニア」と呼ばれることが多い)は、ローカル テレビやケーブルとの取引がない国際的なパブリッシャが、特定の視聴者へのリーチを目的として使用することがよくあります。

常時チャネルでの広告配信は、典型的なオンデマンド動画よりも手間がかかります。オンデマンド動画では、どこに広告が入るのかを正確に把握できるので、広告挿入ポイントを事前にプログラミングしておくことができます。視聴者が動画のそのポイントに到達したら、広告リクエストが行われ、動画広告が配信されます。常時型では、コンテンツはライブ ストリーミングされているので、事前に広告ポイントを決めておくことができません。代わりに動画プレーヤがコンテンツ内のキュー トーン(SCTE-35 標準規格に準拠)を聞き取り、適切な広告リクエストを行うしかありません。

イベントベースのライブ動画でもこの問題は同じで、事前に広告ポイントを決めておくことはできません。スポーツ イベントは典型的な例で、バスケットボールのタイム アウト時や、野球では攻守が交代するタイミングがコマーシャルに適しています。このような場合、システムはリアルタイムで広告ポイントを指示する必要があります。プロバイダによってはこれを「ビッグ レッド ボタン(大きな赤いボタン)」と呼んでおり、広告ポイントに達すると、人がボタンを押して、動画ストリームへのキュー ポイントを挿入します。このキュー ポイントによって広告リクエストが行われ、それに対して動画広告が戻されます。

ライブ動画の視聴環境
もう 1 つ考慮しなければならないのが、ライブ動画を視聴するデバイスのタイプが、デスクトップ、モバイル、コネクティッド TV などのいずれなのかという点です。使用するデバイスによって使用している技術が決まり、広告の配信方法に大きな影響を及ぼします。デスクトップ Web では、今も Flash が動画視聴のフォーマットとして優勢で、広告関連の各種の問題もほぼ解決済みです。プレ/ミッド/ポストロール動画はいずれもリクエストやレンダリングが可能で、通常は必要に応じて付属の広告も実行でき、適切な追跡ビーコンも稼働させることができます。

ただし、多くのモバイル デバイス、特に Apple iOS デバイスでは、HTTP Live Streaming(いわゆる HLS)がストリーミング プロトコルとして使用されています。ところが、HLS では Flash のように簡単にストリームを変更して広告を挿入することができません。ミッドロール広告を HLS ストリームに挿入するには、iOS デバイス上のネイティブ プレーヤを「だまして」複数のストリーム(広告/コンテンツ/広告/コンテンツなど)をあたかも単一ストリームとして認識させる必要があります。

配信する広告の中身
そして実際に広告が配信できるようになったら、適切な広告であることを確認する必要があります。ボストンで行われているスポーツ イベントをシカゴで視聴している場合、サンフランシスコのカー ディーラーの広告が流れても意味がないでしょう。幸いにも、広告を挿入するシステムでこの判断を行えるので、地域(モバイル デバイスの場合)、統計情報(性別、年齢など)、デバイス自体に応じた広告を受信することができます。

この種の問題はいずれも解決が難しく、いくつか組み合わさることでさらに困難になってしまいます。たとえば、広告付きのイベントをオンラインで配信し、世界中のあらゆるデバイスで優れた視聴エクスペリエンスを提供して、ローカルの広告主だけでなく、国全体の広告主にも魅力的なものにして、最も重要なポイントである、マネタイゼーションを可能にするにはどうすればいいでしょう?

Brightcove Video Cloud は一連のパワフルな API に基づいているので、このような問題の大半を解決できる統合機能を持つ専門的なベンダーと一緒に作業することができます。その結果、パブリッシャは Web、モバイル、コネクティッド TV 上でのライブ イベントやライブ リニア コンテンツの効果的なマネタイゼーションが可能になるのです。