ライブ動画やオンデマンド動画においてプログラマティック広告とサーバーサイド広告を共存させる方法とは?

ライブ動画やオンデマンド動画においてプログラマティック広告とサーバーサイド広告を共存させる方法とは?

高品質な長編コンテンツは、従来のようなMVPDとセットトップボックスを通して視聴される時代から、IP経由で配信される多様な「コネクテッド リビングルーム」デバイスを通して視聴される時代に移りつつあります。このような変化は、IP対応のインベントリを増加させ、見た目は従来型のテレビと同じようでも、従来とは違う形で収益化されることにつながっています。リサーチ会社MoffettNathansonの報告では、2017年第3四半期にはリニア動画サービスの契約者は872,000人減少し、代わりにバーチャルMVPDの契約者は962,000人増加したとされており、このトレンドを裏打ちしています。

メディア購入企業のテレビ広告バイヤーにとって、IPによるターゲティングは興味を惹かれるところではあっても、ワークフローや計測についてはあまり詳しくはないというのが実情でしょう。急激に成長を続けているこのようなインベントリの多くはサーバーサイド広告挿入(SSAI)によって作成されており、動画広告テクノロジーのエコシステムを構成する企業は、この成長によってもたらされる機会をネットワーク、ディストリビューター、およびバイヤーにとっても価値のあるものとなるように協力する必要に迫られています。

先日VideoNuze主催で開催された年に一度のSHIFT Summitでは、プログラマティック動画が主なフォーカスとして取り上げられました。今年のショーでは、IAB、SpotX、そしてブライトコーブがコラボレーションし、現在我々のエコシステムがこの変化を有利に活用するためどのような取り組みを行っているかをプレゼンしました。

SSAIは、ネットワークにとってはリーチ、収益化、そしてユーザー体験の向上を達成するための有益な手段です。このことは、SHIFT参加者の中にコンセプト自体にあまり詳しくない人がいてもよいように、簡単に説明がなされました。

インベントリが35%増加しても、それを埋められなかったら価値があるだろうか?

Brightcove SSAIを利用している放送局の1つであるMediaWorksが、広告のインベントリを35%増加させることができたというケーススタディを披露してくださいました。MediaWorksは、コネクテッド リビングルーム機器と、より古いモバイルデバイスに、広告を挿入したストリームを流すことをリーチの手法に取り入れたのです。これにより、デスクトップ経由のウェブサイトでは、広告ブロッカーに打ち勝てるようになりました。これに加え、同社はエラーやバッファリングといった、クライアントサイド広告でありがちだった問題が減少したことを確認し、またシームレスな広告挿入のストリームによりセッション当たりの視聴時間を14%も延ばすことができたというのです。

ブライトコーブがIABと広告テクノロジーのエコシステムと協力して目指しているのは、お客様が望む形でコンテンツを収益化できる手段を提供することです。もしMediaWorksのような放送局が、そのインベントリの販売をプログラマティックな手段(PMPやSSP、アドエクスチェンジ)に頼って行っているということであれば、SSAIのワークフローの中でフィルレートとイールドを最適化するために、教育と調整が必要になるかもしれません。

ここでの良いニュースは、バイサイド(広告を買う側)はSSAIインベントリを歓迎しているということです。これは、Roku、Apple TV、Xboxなどの媒体での利用が可能であること、また成熟した放送局やサービスプロバイダーがアーリーアダプターだったためプレミアムコンテンツでも利用が可能であるという理由によります。SpotXがバイサイドに対して行ったアンケート調査でも、この点を支持する結果が出ています。

誰が何のために取り組んでいるのか?

SSAIワークフローにおける批判的な層がこのブログの冒頭に挿入された図に反映されているとすれば、IAB TechLab、そしてブライトコーブがSHIFTで行ったプレゼンテーションの目的は、彼らすべてが世界中のMediaWorksのような会社を支持するようになってきていることを示すということでした。

連携が必要な部分の例としては、SSAIサービスからもたらされるインベントリリソースと動画のインプレッションの検証です。Brightcove SSAIは、SpotXのようなプログラマティックテクノロジー企業にサポートされており、Brightcove SSAI ユーザーからのインベントリが入札に有効であることを確認しています。SpotXもまた、DSPやバイサイド広告サービス企業に対し、広告が配信される際にビーコンが送信されること、またビーコンは、エンドデバイス側ではなくサーバー側から送信され、バイサイドパートナーが要求しているプロトコルに沿ったものであることを説明する手順をとっています。

SpotXのAdvanced Solutions GroupでSenior Directorを務めるKevin Schaumは次のように述べています。「我々は過去数か月間に渡って、プログラマティック技術をサーバーサイド広告挿入と組み合わせることで生じる複雑な問題に取り組んできました。DSPが確実にSSAI動画インベントリを購入し、それを報告することができるようにしなければなりませんでした。そこで、DSPパートナーと膨大なコミュニケーションを重ね、SSAIインベントリがOpenRTBでどのように送信されるか、またSSAIサーバーから送られる追跡イベントの技術的要件などについて、説明しました」

Kevinは、SHIFTでのプレゼンテーションにおいて、DSPはデバイスID、IPアドレス、位置情報を活用して、SSAIインベントリ全体を通してオーディエンスのターゲティングを行うことができると指摘しました。入札価格(及びフィルレート)を最適化するために必要となるその他のターゲット用パラメーターは、広告要求中のキーバリューペアを経由して渡すことが可能で、これはクライアントサイド広告挿入の場合の手順と違いはありません。

SHIFTでの議論では、オンラインで送られるライブ放送のインベントリの量も話題に上りました(これはSpotXの利用顧客であるSlingTVのようなリニアな24時間365日のシナリオから、ブライトコーブが使用されている様々なライブスポーツ中継までを含みます)。SSAI+SSPのワークフローは、連続再生や、競合相手の広告との間隔などを含む、リニアテレビの要件をサポートしています。ライブスポーツ中継では、視聴者の規模に関する懸念に加え、DSPのビッドを受ける側が、NFLプレイオフでのいわゆる2 minute warningと呼ばれるタイムアウトの際に、同時に視聴している50万人から流れ込むであろう膨大なリクエストに耐えられるようコンディションを整える手順や、予想されているタイムアウトにリクエストを押し込む手順に関する心配がありました。SpotXでは、デマンドサイドとの調整で、同時に送られるリクエストに過剰に消費をせずに、広告頻度の上限設定を行う方法を検討しました。

次の段階とは

解決しなければならない問題は他にもありましたが、1つはIABの領域でした。例えば、VAST4.0がUniversal Ad ID(Brightcove SSAIなどのステッチサービスに、以前その動画をシステム内で見てトランスコードを行ったことがあることを知らせるためのもの)の作業進捗をさらに進めるする約束をしたことです。

VPAIDはSSAIでサポートされていないため、VAST 4.0の動画広告ファイルの計測やその他のプレーヤーサイドのアクティビティの指示を行うサイドカーから切り離すことができるクライアント側と動作する機能の重要性も高いのです。MoatやIntegral Ad Scienceなどのプロバイダからビューアビリティ関連の数値を提供できることの有用性については、デスクトップSSAIでの要件だった時にすでに実証済みです。

IAB Tech Labは、このような話し合いを、Digital Video Technical Working GroupとOTT Technical Working Groupを通じて進めています。Tech Labの動画と音声プロダクト担当Senior DirectorであるAmit Shettyも、SHIFTでのプレゼンテーションに参加し、「さらなる標準化が必要とされるUniversal Ad IDやビューアビリティなどのために」業界からのさらなる参加を広く呼びかけました(関心のある方は、amit@iabtechlab宛に電子メールを送ってください)。

将来

SSAIが、コンテンツのオーナーとディストリビューターが使いたがるあらゆるシナリオで採用されるためには、エコシステム内の連携が欠かせません。

  • バイサイドは、ターゲティングの機能と解析の面で、必要なものを得られなければなりません。
  • セルサイドは、高い技術的パフォーマンスとビジネスパフォーマンスを達成できなければなりません。十分な需要(関心を持つバイヤー、規模をさばけるバイヤー)が必要ですし、そのようなバイヤーもSSAIを簡単に実装できる必要があります。

ブライトコーブとしては、将来のプレミアムインベントリのうちかなりの割合において、SSAIがその解だと考えています。当社では顧客企業に対し、(クライアントサイドと比較して)次のように考えることをお勧めしています。

エコシステムの柱であるSpotXやIABからの支援を得て、私たちはリーチ、ターゲティング、そしてユーザー体験の組み合わせが大きな見返りをもたらす未来を想像しています。こちらをクリックすると、SHIFT Summitのテーマを振り返るVideoNuzeのPodcastをお聞きいただけます(英語)。

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