百聞は一見にしかず:あなたの(仮想)現実は?

百聞は一見にしかず:あなたの(仮想)現実は?

私は HBO(米国のケーブルテレビ局)の最新ヒットドラマ『ウエストワールド』の大ファンです。その舞台となる巨大なテーマパーク、ウエストワールド(ややシリアスな演出のウォルト・ディズニー・ワールドをイメージしてください)では、ビジターが人間そっくりのアンドロイドたちと交流します。これは、今まで見た中で最も野心的な仮想現実または拡張現実のアイディアかもしれません。10 年もしないうちに、こんな体験が可能になるでしょうか? きっと可能でしょうが、今日の現実とは違っているでしょう。

今日の現実では、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のテクノロジーやデバイス、エクスペリエンスに関する新情報が発表され、関心が高まっています。当社幹部の一人がある空港で見つけた期間限定ショップには、ブルーのシャツを着た技術スタッフが控えており、VR を実際に見てみたい、もっとよく知りたいと思う人に VR ゴーグルを装着させようと盛り上がっていたそうです。

VR、AR、360 度動画体験の現状

よく知らない方のために説明しておくと、VR により視聴者は周囲が 360 度“見える”体験に入り込みますが、AR は視界に重ねた要素とやり取りできます(ブームになったポケモン GO をイメージしてください)。こうした体験をもっと詳しく知るための入門編としておすすめなのは、こちら(テクノロジーに詳しい方向け)とこちら(テクノロジーに詳しくない方向け)です。最後の 360 度動画体験は、昔懐かしい iPod Shuffle のようなサイズのものも含めた複数台のカメラで撮影し、さまざまな視界(アングル)の体験を記録してその動画をつなぎ合わせることで、視聴者が動画の中を“動き”回れるようにします。その好例が、アメリカ海軍のアクロバット飛行チーム「ブルーエンジェルズ」の 360 度動画です。

この 3 タイプの体験には、それぞれメリットと課題があります。若いオーディエンスの中には VR を活用している人もいるようですが、年齢が上がると AR や 360 度動画のほうが馴染みやすいようです。最近のスマートフォンは、Google の Cardboard やサムスンの Gear VR のような追加デバイスを利用して、360 度動画や VR を表示することができます。Oculus Rift や Google Daydream のようなデバイスはもう少し複雑ですが、これらを利用すればコンピューターによって生成された体験に入り込めます。Apple 社もこれに参戦し、AR テクノロジーを導入した次期 iPhone、そしてスマートグラスの開発を進めているようです。これが AR の基盤となり、メガネ型ウェアラブルを装着すれば実際の視界にさまざまなものを表示できるようになります。Snapchat の親会社 Snap が手掛けている新しいスマートグラスもトレンドの一翼を担っています。

進化するエクスペリエンス

Google Earth を覚えていますか? 初めて登場した際は、新しいグラフィック レンダリング技術を駆使して地球の“周りを飛び回ったり”、ランドマークをクローズアップできたりする画期的な方法でした。いまや Google Earth を VR で見ることもできます。Android スマートフォンの巨大なインストールベースを持つ Google は明らかに AR や VR に力を入れており、Android には AR の草分けとなるような体験が豊富に用意されています。スマートフォンは、拡張現実や仮想現実の新たな体験にうってつけのプラットフォームなのです。今のところはデスクトップコンピューターに道を開こうとしている会社もあります。デスクトップ、ノートパソコン、はたまた Roku のようなデバイスが没入体験に適しているかどうかよく分かりませんが、時が経てば明らかになるでしょう。

いずれにせよ、こうした新しい体験のために作成されるコンテンツの時代が幕を開けたことは間違いありません。これから数カ月のうちには、コンサートをリアルタイムで鑑賞するような体験ができるようになるでしょう。来週火曜の夜 8 時にシカゴでスマッシング・パンプキンズのライブを見たい? まるでその場にいるかのような臨場感あふれる演奏を楽しむことができます。メイシーズ・ヘラルドスクエア本店の最前列シートから見る感謝祭のパレードはいかが? どれもこれも VR や AR でもうすぐ体験できるようになります。

最適なツール、最適な仕事

満足度の高いメディア & エンターテインメント コンテンツがそうであるように、決め手となるのは準備、企画、そして実行です。このような新しい没入型動画体験には、成功につながるベストプラクティスや注意点があります。360 度動画体験では、迫力のあるビジュアルにしなければなりません。前述したブルーエンジェルズの F18 戦闘機や潜水艦のエンジンルームのウォークスルーのように、視聴者がデバイスを動かしたり、プレーヤー内でスクロールしたりしたくなるようなシーンが最高ですね。室内でインタビューを受ける語り手の顔をじっと映していても、魅力のある動画にはなりにくく、視聴回数も伸びません。

たえず進化を続ける動画分野の新局面はまだ始まったばかり。ブライトコーブはオーディエンスを楽しませ、動画事業を強化していただくために、こうしたエクスペリエンスの構築方法について顧客と対話を重ね、関わりを深めていこうと胸を躍らせています。『ウエストワールド』に出てくるようなアンドロイドを開発する予定はありませんが、VR や AR をはじめ、現在の(そして将来の)現実を形にするためのお手伝いがしたいという意欲はいつでもあります。