DRM:あなたの動画コンテンツを守る方法

DRM:あなたの動画コンテンツを守る方法

この数か月間で人気の質問のひとつが、どうしたら自分のコンテンツを守れるかというものです。今回はデジタル著作権管理(Digital Right Management:DRM)に注目し、DRM とは何か、どのように機能するのか、そして Video Cloud で使うにはどうしたらいいかをお話ししたいと思います。DRM とは、通常は購入後のマテリアルへのアクセスを管理するためにプロダクトやサービスに埋め込まれるメカニズムです。この延長線上で、DRM は購入後にマテリアルを視聴できる回数を制限したり、コピー防止スキームとして使用したりすることが可能です。おそらく、あなたも実際に DRM を使用した経験があるでしょう。例えば iTunes で音楽をダウンロードしたり、ブルーレイで映画を観たり、あるいは Kindle に電子ブックをダウンロードしたりといったことは、ほんの一握りの例にすぎません。

オンライン動画で DRM はどのように機能するか

DRM は、多くの主体が関わる非常に複雑かつ繊細なインフラですが、お客様から見てできるだけ分かりやすくなるようにしています。DRM のオペレーションについてお話しする前に、なぜ DRM があなたのコンテンツを守るための究極の方法であるのかという点について少し説明させてください。DRM には、ほかのコンテンツ保護の方法と決定的に異なる重要な点がひとつあります。つまり、コンテンツを再生する前に、DRM ライセンス サーバーが、要求を承認する必要があるということです。ユーザーが DRM コンテンツの「再生」をクリックすると、Brightcove Player によって、ブライトコーブが代理させているサードパーティーの DRM ライセンス サーバーに対して動画の再生ごとにライセンス要求が行われ、そのサードパーティー DRM ライセンス サーバーが要求を承認しなければなりません。

次の図は、Brightcove Player によるライセンス要求がどのように行われているかを示しています。

また、仮に誰かが DRM コンテンツをダウンロードしようと試みたとしても、その人はそのコンテンツでほとんど何もできません。そのコンテンツがまだ DRM の保護を受けており、コンテンツをアンロックするためにライセンス サーバーとどのように「話す」かを彼らは知らないからです。これはパスワード保護がかかった Zip ファイルを同僚から受け取った時と似た状況です。同僚がパスワードを教えてくれない限り、そのファイルは役に立ちません。

なぜ DRM が Dynamic Ingest と Video Ingest Profile でより簡単なのか

DRM がどのように機能するかが分かったところで、Video Cloud で DRM コンテンツをどのように扱うかを見ていきましょう。Video Cloud の新たなトランスコード フレームワークである Dynamic Ingest では、暗号化コンテンツ、非暗号化コンテンツ、そして DRM 保護コンテンツを作成できます。これらすべてを同じアカウント内で行うことが可能で、その方法はコンテンツをアップロードするときに適切なプロファイルを選ぶだけです。DRM 保護コンテンツ用と DRM に保護されないコンテンツ用とで、複数のアカウントを使う必要はもうありません! まずは Video Cloud アカウントで DRM を有効にし、動画ファイルをアップロードします。するとブライトコーブの Dynamic Ingest が、このファイルを取り込み用プロファイルに指定されたレンディションに合わせてトランスコードします。プロファイルが DRM レンディションを指定していれば、コンテンツは DRM スキーマを使ってパッケージ化されます。Brightcove Player または Mobile SDK がその DRM コンテンツを再生するように命令を受けると、Player が DRM ライセンス サーバーに要求を送信し、有効な応答が返された場合にのみそのコンテンツが再生されます。

DRM を Brightcove Video にセットアップする方法

お客様が DRM の利用について興味を持ったら、次のような高レベルの手順を取ることになります。

  • そのお客様と、本当に DRM が必要かを話し合います。この話し合いは非常に重要なものです。DRM の持つ商業的な責任は重く、潜在的な視聴数を制限することになるからです。また、この話し合いの過程で、例えばコンテンツの暗号化といった別の手法が、コンテンツの保護に十分で、さらにお客様の手間とコストの節約になるということが分かるかもしれません。

  • それでもまだお客様が DRM 導入を希望する場合、ブライトコーブでは Video Cloud アカウントのさまざまな DRM スキーマを有効にします。

    • この記事の執筆時点で、Video Cloud では次の DRM スキーマを提供しています:デスクトップ ブラウザー用の Microsoft PlayReady、Android 端末用の Google Widevine、iOS 端末とデスクトップ版 Safari 用の Apple FairPlay。サポートされているスキーマの最新情報については「おすすめ記事リスト」に挙げたリソースを参照してください。

    • ターゲットとするブラウザー、モバイル プラットフォーム、OTT デバイスなどについても要素としており込んでいます。

  • ソリューション エンジニアが最適化された DRM Ingest Profile を作成し、そのアカウントに展開します。

  • DRM 保護するコンテンツがアカウントにアップロードされ、DRM Ingest Profile でトランスコードされます。

  • DRM プラグインがアカウントのプレーヤーや SDK に展開されます。

  • テスト、テスト、テスト

    • この時点でコンテンツの保護のために投資を行っています。ですから、保護がされていることと、ターゲットとしているオーディエンスのデバイスやブラウザーで視聴されていることをしっかりと確認してください。

DRM の落とし穴

DRM のすべてがバラ色、というわけではありません。DRM の利用時には必ず、その欠点について理解しておきましょう。

再生までのラグによって動画を見るのをやめてしまう可能性があります。DRM は間違いなくコンテンツを保護してくれます。しかし同時に、再生のチェーンに失敗する可能性があるポイントを増やすことにもなります。たとえば、ライセンス要求にいつもより時間がかかった、あるいはタイムアウトしたとしましょう。エンドユーザーはおそらく、そのコンテンツの視聴に料金を支払っているでしょうから、普通ならイライラして、ひどいときには腹を立てて、別のページに移動してしまうでしょう。DRM がなければ、その動画は最初のフレームが CDN から取得された瞬間に再生され始めますので、このことは心に留めておいてください。

普遍的な DRM がなく、視聴可能性に影響しています。DRM のもうひとつの問題は、すべてのデジタル世界で間違いなく作動するスキーマが存在しないということです。つまり、全てを可能とするような MP4 動画に匹敵するような DRM は存在しないのです。今日の消費者が使用しているすべてのブラウザー、モバイル プラットフォーム、OTT デバイス、セット トップ ボックス(STB)などをカバーするためには、いくつもの多様な DRM スキーマを使用して動画をトランスコードしなければなりません。そのため、DRM プラグインを内蔵した Brightcove Player は、要求しているブラウザー、モバイル プラットフォーム、OTT デバイスなどに最も適した DRM レンディションを選択するのです。

画一的なスキーマが存在しないということは、DRM コンテンツが再生できないデバイスやブラウザーがあるということです。したがって、一部の訪問者はそのコンテンツを見ることができないかもしれません。例えば、この記事の執筆時点ではモバイル版の Safari に対応した DRM スキーマは存在しません。

始めてみましょう:DRM とブライトコーブ

DRM を有効にしたいとお考えであれば、弊社の担当営業までご連絡ください。DRM には、この記事でお話ししたように、考慮すべき技術的あるいは商業的な側面が存在することを忘れないでください。担当のアカウント マネージャーはすべての側面について知っており、十分な情報に基づいて決定を下すお手伝いをいたします。

この記事は、DRM の表面をほんの少しなぞったにすぎません。DRM を取り巻く状況は奥行きが深く、しかもとても変わりやすいことから、考慮すべき細かい点がたくさんあります。DRM に関連することについて、少しでもその意義をお伝えできたことを、また、なぜ DRM が必ずしも最適な方法ではないかという点についてご説明できたことを願っています。次の機会には、動画セキュリティの別の側面についてお話ししましょう。

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