メディアの収益化は決して誇張された話ではない

メディアの収益化は決して誇張された話ではない

もしあなたがたとえ観光客であったとしても、水辺に行ったことがあるのなら、漁師や海女さんがするような、誇張された大げさな釣りの話を聞いたことがあるでしょう。竿がいかに小さかったか、魚や釣り師がいかに強かったか、話が歪曲されすぎているものです。魚釣りの話は、実際の魚の大きさが話の中で現実の3倍以上にでも膨らんでいない限り、聞く価値はありません。魚釣りの話で重要なのは、誇張表現と実際に起きたことを見極めることです。

同様のルールは、時に意見や憶測が現実や開発動向に勝っているようにも思える、テクノロジー領域で使用される誇張表現にも当てはまります。

一部の評論家たちは、オンライン動画の収益化方法や一部のパブリッシャーがコンテンツから得ている収益は、前述の魚釣りの話と同類であると指摘する人もいます。彼らは、それはあまりにも難しすぎる、とか、エクスペリエンスとパフォーマンスがたいてい標準を下回っている、と主張します。私もややそれに同意します。なぜでしょうか。それは、広告挿入の初期の頃は、ブラウザーのクッキーを背景に構築されており、ターゲティングや関連性の高い広告のサポートには役立ちましたが、パフォーマンスにはマイナスに影響していたからです。また、クライアントサイド広告挿入(CSAI)は、広告ネットワーク(または複数のネットワーク)が広告を決定して配信するまで、プレーヤーが待機していることがあまりにも多く、その性質上待ち時間が追加で必要だったからです。

しかし、状況は変わりつつあります。サーバーサイド広告挿入(SSAI)の導入に伴う進歩により、初期の懸念の多くが改善し、規模は大幅に拡大し、安定性が高まっています。動画の収益化における大きなテーマは、最先端技術が進歩している時に、昔の慣習やパフォーマンスを引き合いに出すことだと感じています。テクノロジーは進化し、お金は動いています。水面下の大きな魚のように。

デジタルの収益へ道を開く

実際に収益を生み出せるかどうかは、パブリッシャーが最初にコンテンツをオンライン上に掲載したその日から発生する課題です。2008年の元NBCのCEO、ジェフ・ザッカーの有名な発言に、メディア業界に対して『アナログ紙幣をデジタル硬貨に交換することのないように働いて欲しい』というものがあります。CNNでの新しい役割の中で彼は態度を変え、『デジタルは私たちの未来です』と言っています。ザッカーは、私の主張も後押ししています。不満を持ったパブリッシャーがデジタルの収益化への道に立ちはだかるハードルに遭遇した時、降参して諦める方がずっと簡単です。ことわざにもあるように、持っている道具が金槌しかない時は、すべてが釘のように見えます。一部の人がデジタルメディアの収益化の状況を分析しながらやっているように、新しいアイデアに冷や水を浴びせるのは簡単です。

これは解決済みの問題であると言いたいわけではありません。メディアの収益化は実を結び始めたばかりで、これから進化を続けていくでしょう。ブライトコーブは、2017年はこの分野で大きな利益を目にする年だと考えており、お客様の動画収益を50%も増やすお手伝いができると信じています。動画収益の成長が勢いを増している今、それを追求する上でSSAIが極めて重要な役割を果たすと考えています。SSAIは、放送事業者が放送内のネイティブ広告を、ストリーム内の全く異なる有料広告に置き換えることを可能にします。さらに、このようなストリーム内の広告は、一人一人の視聴者に向けたハイパーターゲティングが可能です。デバイス、ネイティブGPS、インターネットプロトコル(IP)情報が持つ性質により、そのデータやその他のデータに基づいて、一人一人の視聴者がさらに自分へ関連性のある広告を受け取ることができるのです。何よりもこの手法は、パブリッシャーがコンテンツをオーディエンスに見せようとする時に現れる長年の懸念と、広告ブロッカーを打倒するのに役立ちます。2017年が始まりクライアントサイド広告挿入がSSAIに移行するにつれ、広告のフィルレートは上昇し、Flashから徐々に離れていくことで広告技術を改善する道が開け、あらゆる規模および形態のパブリッシャーと放送事業者にとって収益化が現実のものとなっていきます。繰り返しになりますが、デジタル硬貨を紙幣に変えるソリューションは、(一般的なテクノロジーを用いた場合と同様に)変化し続けていきます。この変化に対して最大の準備と適応ができた人が最大の成功を収め、収益を目にすることができます。

実例

覚えておいていただきたいのですが、SSAIだけがデジタルの収益化への道ではありません。コンテンツを日々新しいプラットフォームで消費する幅広い新規視聴者からの収益化を睨みながらビジネスを築く、今日のメディアコングロマリットとの簡単な手続きで、デジタルの成長と購読のための意欲的な計画が見えてきます。

最近、CBSはShowtimeのオンライン動画サービスと、CBSのAll Accessの両方において、目覚ましい成長を発表しました。契約者数が魔法のようなミリオン数(そしてそれ以上)を超え、このような企業が過去数年間に実施した投資は、その判断が正しかったことを証明しています。CBSは強気な成長を見込んでおり、2020年までに両方のサービスで総契約者数を8百万人に伸ばし、8億ドルという膨大な新たな収益を生むという目標を掲げています。

最初は苦戦していたDIRECTVも、今は最初の数週間で20万人の契約者を獲得しています。このことも、視聴者は見たいコンテンツを見るための新しい方法を強く求めていて、サービスプロバイダー(およびネットワーク)は、こうした変化に対応し需要を満たすために、サービスを成長させる賭けに出ているという二つの事実を証明しています。

批判もありますが、このようなトレンドは、多くの人の胸を躍らせるものです。大げさな魚釣りの話からは逸れるかもしれませんが、私はこのトレンドを見て、何年か前に私がアメリカ海軍に所属していた時にある船乗りが語ってくれた話を思い出しました。その賢明な機知に富んだ高齢の船員が語ったことは、恐れ、不確実性、疑念を乗り越える最も簡単な方法は、『解決策の一部となり、問題の一部とならないこと』。これこそが、大げさな魚釣りの話を多く語らずに、イノベーションと新しい問題の解決を糧にする、この刺激的な動画領域の素晴らしさだと思います。