アジアにおけるオンライン動画の現状:上半期現状報告

アジアにおけるオンライン動画の現状:上半期現状報告

そろそろ終盤に差し掛かった 2016 年ですが、アジアのオンライン動画市場にとっては画期的な 1 年となっています。Netflix 社は CES でグローバル展開を発表し、誰をも驚かせました。各国でその地位を確立した事業者は、リニア型サービスとのパッケージングあるいはスタンドアローンとして次々にサービスを開始しています。iflixHOOQ あるいは CatchPlay など Netflix に類似したサービスが、各地域でさまざまな話題を振りまいています。しかし、本当にこれがすべてでしょうか?これらのサービスは成功しているのでしょうか? アジアの消費者は、最新かつ最高のコンテンツや水準を誇る OTT サービスの恩恵を十分に受けているのでしょうか?

これらの問いへの明確な答えは「ノー」だと思います。OTT によるメディア業界への進出と地位獲得という観点では、依然として初期段階であるのは明らかです。しかし、現在提供されているサービスが比較的成熟し、消費者として私自身が満足している 2 つの領域をここで指摘したいと思います。

アジアはニッチコンテンツの活動の場

なぜでしょうか? それはアジア自体がニッチな場所だからです。アジアには何十もの国があり、多くの言語と異なる文化、そして多様な娯楽と好みがひしめきあっています。つまり、アジアはニッチなコンテンツを求めているのです。

タイの Primetime のような OTT サービスは、国内コンテンツの取引や国内市場に対する知見において、海外からの競合相手は太刀打ちできない存在であることを証明しています。ある特定の国内についても、以前に私たちが調べたように、高い人気を誇るオリジナルの Web 限定番組を数多く配信する The Viral Fever(TVF)がインド市場を一新したこともありました。TVF はインドのミレニアル世代(それだけでインド国内に 4 億人いるインターネットユーザーの 75% を占めています)をターゲットとしています。彼らはテレビの画一的なコンテンツに飽き飽きしている世代なのです。

また、私たちの多くに訴えかけるもう 1 つのニッチなエリアはスポーツです。アジアのスポーツファンは、リニア型 TV や出版物よりもはるかに簡単に、好きなチームの情報をオンラインで追いかけることができるようになりました。私は総合格闘技(MMA)のファンですが、UFC Fight Pass OTT サービスに登録していて、地域プロモーションの ONE Championship の Web サイトでペイ・パー・ビュー(番組有料視聴制)のライブイベントを視聴することもあります。非常にニッチだと思いませんか?

動画が出版界を変貌させた

今年開催された、アジア地域における放送業界のプレミアイベント BroadcastAsia には、驚くほど数多くの出版社が出席しました。ご存知のように、アジアでは印刷物からオンラインへの移行については依然として遅れている状況ですが、実際にはその差はそれほど大きくはないのです。

マレーシアの Star Media Group は、昨年末に TheStarTV.com を立ち上げましたが、これは従来型の印刷出版社が放送局のようなモデルに進化した良い例です。Star Media が発行している印刷物の購読数は 30 万部近くですが、オンラインのフォロワー数と比較すれば大海の一滴にしかすぎません。StarTV.com は、マレーシアで最も多く視聴されているニュースポータルで、毎日何十本もの動画を制作しています。

アジア地域の出版社は、さらに積極的な手に打って出ています。最近の Reuters Institute の調査によると、出版社の 79% が 2016 年のオンライン動画予算を増加すると回答し、また 54% がオンライン動画は最も優先順位が高いとしています。Singapore Press Holdings(SPH)の Straits Times も、近年アプローチの近代化に投資しており、報道の一部として動画を取り入れた好例です。そして当然の結果が得られました。サイトの滞在時間が増加し、訪問者 1 人あたりの閲覧ページ数も増えたのです。

では、アジアのオンライン動画の現状とは?

ニュース:✓
スポーツ:✓
エンターテイメント:ケースバイケース…

アジアのメディア企業は、依然として追いかけっこをしている状況です。しかし、スポーツやニュースなど特定の分野では、それほど後れをとっているわけではありません。自分が見たいコンテンツを分かっている消費者は、すぐに見つけることができます。手元のスマホやタブレット、デスクトップ PC、スマート TV でコンテンツを見られるという体験は、すばらしいものだと私は思います。