主要 Web ブラウザーによる Flash の無効化について

主要 Web ブラウザーによる Flash の無効化について

こんにちは、ブライトコーブ株式会社 Digital Marketing Territory Manager の大野です。

昨今、ニュース等で話題になっております、各種主要 Web ブラウザーによる Flash の無効化について、動画配信の観点で寄稿します。

1996 年に Macromedia 社により開発された Flash という規格は、Web の世界にリッチ体験をもたらし、動画再生を含むインタラクティブ性の高いソフトウェアとして重宝されてきました。

しかし、近年は多くの企業 Web サイトでも、Flash によるコンテンツの作成は、

  • 頻発するセキュリティーの脆弱性
  • ブラウザー クラッシュの原因
  • 消費電力の大きさ
  • ページのローディング速度遅延

により避けられてきました。また、iPhone や iPad で利用される iOS が、Flash を採用していないことはよく知られています。

動画配信の世界では、Flash テクノロジーの代わりに登場している HTML5 Video が標準になっており、YouTube 等の無償動画配信サイトでも HTML5 Video が現在は採用されています。(数年前までは、YouTube でも Flash の最新バージョンをインストールしなければ動画が閲覧出来ない...といった経験をされた方も多いと存じます。)

昨年より各種ブラウザーによる Flash 無効化、HTML5 Video への移行促進について噂されてきましたが、Firefox 社により 2016 年 8 月に開始される段階的な無効化を皮切りに状況が一変しつつあります。

2016 年 8 月 26 日時点で、各社主要ブラウザーで発表されている情報は以下のとおりです。

  Flash の段階的な
無効化の開始
Flash 標準無効化
の開始
備考
Chrome 2016 年 9 月 ※1 2016 年 12 月 ※2 2015 年 9 月にリリースされた Chrome 45 では既に重要度の低い Flash は自動停止する機能を実装済み
※1 Chrome 53 から
※2 Chrome 55 から
Edge 2016 年 8 月 ※3   ※3 Windows10 のアップデート「Anniversary Update」より Flash 動画の自動再生をブロック
Firefox 2016 年 8 月 ※4 2017 年の初期 ※4 Firefox 48 から
Safari   2016 年 9 月 ※5 ※5 Safari 10 から

※上記はあくまでも各社の予定となり、変更する可能性がございます

ご存知のとおり、一概に Flash と言っても動画再生以外にもバナー等のコンテンツで利用されています。2016 年 8 月に開始された Firefox の Flash 無効化については、まず広告用にユーザーをトラッキングする用途で利用される「Finger Print」や「Super Cookie」として利用される Flash が無効化されたようです。

つまり、急に Flash による動画再生が不可能になった訳ではございません。

ただ、2017 年の初期までには動画を含む Flash コンテンツを表示させる為に、ユーザーがコンテンツの部分をクリックし、プラグインを作動させる必要が生じます。

こちらについては、どのようなアラートが Firefox ブラウザー上に表示されるのかは、現時点で不明ですが、恐らく以下のような表記になることが予想されます。

※上記は Firefox で自分が許可した Flash だけ再生するように設定した際の画面となり、今回の Flash 無効化に用意されたものではございません。

Chrome に関しては Safari よりも早く Flash をデフォルトで無効化する予定となり、2016 年末には以下のサイトを除く全てのサイトで無効化予定となります。

  1. YouTube.com
  2. Facebook.com
  3. Yahoo.com
  4. VK.com
  5. Live.com
  6. Yandex.ru
  7. OK.ru
  8. Twitch.tv
  9. Amazon.com
  10. Mail.ru

※一年後には上記も無効化される予定

具体的には 2016 年 9 月にリリース予定の Chrome 53 で Flash によるバックグラウンド操作を無効化し、2016 年 12 月にリリース予定の Chrome 55 では Flash がデフォルトで完全に無効化されます。

Flash を利用している Web サイトに初回アクセスした際は、「Flash を有効にしてください」と表示される予定です。

Flash 排除の急先鋒であった Apple 社の Safari も同様の流れとなり、次期 OS で採用される標準ブラウザーである Safari 10 より Flash をデフォルトで無効化することを決めました。

以下のような表示が、HTML5 が実装されていない Flash のみを利用する Web サイトにアクセスする都度表示される予定です。(両方実装する Web サイトでは、HTML5 が適用されたコンテンツ必ず表示されます)

直訳すると、「セキュリティーを高める為、バッテリーセーブの為、Safari はリクエスト時のみ Flash を表示します。」と記載されており、Use Once を選択すると動画を含む Flash によるコンテンツを一時的に表示することが可能です。

1996 年より 20 年に渡り利用された Flash ですが、排除を推進したスティーブ・ジョブズの死から 5 年を経て、ようやくブラウザー開発各社の足並みが揃う形で世の中から姿を消すことになりそうです。

それでは、Flash 無効化によりどのようなデメリットがあるか...?
例えば、動画をマーケティングにご利用の会社や、e ラーニングにご利用の会社で Flash テクノロジーを利用した動画配信を採用されていると、閲覧者から「動画が閲覧できない」等の問合せが増えることが予想されます。また、メディア企業で動画配信を生業とされている会社の場合は、動画が閲覧出来ないことにより、業績や広告収入の減少に繋がる可能性があります。

逆に HTML5 Video を採用するとどのようなメリットがあるか...?
頻発するセキュリティの脆弱性から開放される、ページローディング速度(つまり再生までの速度)が速くなる等のメリットがあります。また、一般的に開発者が少ないと言われる Flash よりも、比較的一般的な Web 開発者がプレーヤーをカスタマイズできるという利点もあります。
昨今、話題になっているインタラクティブ動画も、HTML5 や Javascript もしくは CSS といった技術で、今までに比べて容易に開発可能となるのです。

インタラクティブ動画については弊社でも取り扱いの始まることが予定される HapYak 社のソリューションについて、近日中にご紹介します!