視聴者とインタラクティブ動画のエンゲージメントについて、これまでにわかっていること

視聴者とインタラクティブ動画のエンゲージメントについて、これまでにわかっていること

2015 年 12 月、Demand Metric はブライトコーブからの依頼で行ったインタラクティブ動画に関する調査結果を発表しました。この調査には、弊社のインタラクティブ動画のパートナーやお客様企業にもご協力いただきました。このレポートはインタラクティブ動画の定義、導入、利用状況、効果の概要がまとめられています。調査に参加したパートナーによる以下のブログ記事は、レポート内容に関してさらに掘り下げた内容になっています。

2013 年半ばに TouchCast が始まったとき、インタラクティブ動画の時代がやって来たと思いました。タッチスクリーンによってユビキタスな環境が確立したように、あるいはリンクの共有が簡単なコミュニケーション方法になったように、動画がインターネットの主流になり、Web の他の部分と同様に動画もクリック可能になることを視聴者が期待するようになるだろうと予想していました。つまり、動画内の画像をクリックすれば、魔法のようなこと、素晴らしいこと、便利なことが起こるのを知り、四六時中すべての動画画面で「あらゆる要素」をクリックするだろうと予想したのです。ところが実際には車内のナビゲーション システムであれ、リビング ルームにある大画面であれ、動画画面をクリックしても「何も」起こらず、残念な体験として不満だけが残ってしまいました。

利用状況
TouchCast はあらゆる環境で動画が視聴できるようになるという信念とともに設立され、現在様々なデータを持っています。特に、TouchCast の消費者向けソフトウェアは数百万回以上ダウンロードされており、多数の大手企業もその市販バージョンやエンタープライズ バージョンを導入しています。数万人規模の動画制作者が作成した数十万本のインタラクティブ動画は、数百万回におよんで視聴されており、画面のタップ回数やクリック回数はさらに膨大な数に及びます。私どもの分析ソフトウェアがクリックを 1 つずつ追跡し、視聴者が何を、いつ、画面上のどこでクリックしているのかを、動画の各フレームについて、ピクセル レベルで正確に把握しています。

性能
インタラクティブ動画に対する視聴者のエンゲージメントについてこれまでにわかっているのは、視聴者が驚くほど高い確率で、インタラクティブ動画アプリケーションをタップまたはクリックしているという点です。

直近 1 年間で、TouchCast は自社制作ソフトウェアを使って作成した数万本の動画で、視聴者とのやり取りを追跡しました。教育用の「無料」アプリケーションを使用した教師と生徒のうち 72% が、1 つ以上の動画アプリケーションをクリックしました。別の分析では、Fortune 500 に選出された顧客企業の従業員のうち 46% が、1 つ以上の動画アプリケーションをクリックしました。メディアおよびエンタメ系パブリッシャーの顧客企業では、34% の視聴者が 1 つ以上の動画アプリケーションをクリックしました。これらは、多種多様なジャンルやクリエイティブな内容での平均値に相当します。この分野に積極的なメディア パブリッシャーでは対話率が 50% 以上に達し、中には 70% ~ 80% の結果を示した例もありました。

インタラクティブ動画はまだ新しい媒体で、測定基準や標準も発展途上です。プロバイダーごとに多少異なる方法でユーザー行動を測定する可能性があります。また、これまでの動画と比べると圧倒的に量が少ないため、測定対象になっている視聴回数もまだ比較的少ないのです。それでも、どのような基準に照らし合わせても、測定で判明した視聴者の行動は驚くべきものです。デジタル エコシステムでのユーザー参加率は 1 桁前半の低さであることが一般的ですが、インタラクティブ動画の場合、少なくともその 10 倍多いのです。

以下は動画アプリケーションを使ったユーザーの反応を、TouchCast のインタラクティブ動画(ここでは BBC 制作の動画)の場合で示したグラフです。グラフ全体はあらゆる形態やジャンルで見るものとあまり変わりません。

この動画は 2 分 19 秒の再生時間で、6 つのインタラクティブ動画アプリケーションが含まれています。視聴者がタップまたはクリックすると、3 つのインタラクティブ動画アプリケーション、すなわち「vApp」で関連する短い動画セグメントが開き、2 つの vApp では静止画像、そして最後の vApp では視聴者に投票を求めるアンケートが開くようになっていました。

グラフを見ると、動画視聴を開始した人のうち: 

  • 31% が単に動画を視聴するだけでなく、何らかの行動を行い、
  • 70% 近くの視聴者が 1 つ以上のインタラクティブ動画アプリケーションをクリックし、
  • 45% の視聴者が 2 つ以上のインタラクティブ動画アプリケーションをクリックし、
  • 27% が 3 つのインタラクティブ動画アプリケーションをクリックし、
  • 全視聴者の 2.5% が、つ以上のインタラクティブ動画アプリケーションをクリックしました。

一般的な消費者向けマーケティング キャンペーンでは、デジタルであれ、従来型であれ、回の行動に対して 1 ~ 2% の応答率が成功基準と言われています。インタラクティブ動画の場合、最大 2.5% の視聴者が少なくとも 5 回の行動を行っています。それでも TouchCast のキャンペーンで対話率が「たった」20% しかなかったこと(つまり視聴者の 20% が 1 つの動画アプリケーションをクリックした)にはがっかりしました。しかし中規模の動画配信でも、他の媒体よりも 10 倍以上の効果があったのだと思い直しました。

エンゲージメント率が高い理由
経験上でも統計上でも、確実にわかっていることは、インタラクティブ動画には本来的に人を惹き付ける性質があるという点です。さらに突き詰めると、驚くほど高い反応率であってもそれ自体は不思議なことではないのです。インタラクティブ動画は人を惹き付けるようにできているのです。

その理由を理解するためには、インタラクティブ動画を従来型から派生したもの、または非線形での物語展開ととらえずに、Dropbox フォルダーのように、他の媒体のファイルが保存されたコンテナとしてとらえる必要があります。そしてプレゼンターのナレーションも、あらかじめ用意された台本を読んでいるのではなく、コンテナに含まれている素晴らしい視覚情報を補うための注釈として考えるのです。

現在は、教師なら TouchCast を使用して「反転授業」計画(英文)を立て、生徒が自宅であらかじめ読んでおくべき教材や演習を、コンテナにたくさん保存しています。マーケターは、以前であればスライドにチャートやグラフを加えたように、動画ブログ記事(英文サイト)に技術に関するホワイトペーパーを投稿しています。あるいはレポーターなら、列車マニアブロードウェイ ショーの音楽Back Street Boys(それぞれ英文サイト)などの件名で、コンテナにデータやコンテンツを多数保存しています。視聴者であるみなさんは、必要に迫られて(宿題、会社のトレーニング、社内の連絡など)、またはそうしたい衝動に駆られて(興味のある商品やサービス、非常に関心が高い話題など)クリックするのです。

そしてもう 1 つわかったことは、個別の動画のインタラクティブ率と全体的なユーザーの反応「曲線」(視聴者の何割が 1 回クリック、2 回クリックしているのか、など) が、公開のたびにすぐに確立しているという点です。ユーザーの確固とした対話パターンが、たった数百回の視聴で現れることも多いのです。その後は、たとえ視聴回数が 10 倍、100 倍に増加しても、インタラクティブ率が 1、2% 以上高くなることはまれです。つまり、インタラクティブ動画の製作方法によって、人を惹き付ける優れた動画になったり、退屈な動画になったりするのです。では優れたインタラクティブ動画はどうすれば作ることができるのでしょうか。 それを解明するためのデータはすでに多数揃っていますので、今後ブログでご紹介したいと思います。