SpotXとブライトコーブ、VAST 4.0の運用テストを開始

SpotXとブライトコーブ、VAST 4.0の運用テストを開始

今回のブログは、SpotXCTOであるJ. Allen Dove氏の投稿記事です。SpotXはプレミアム パブリッシャーと放送局向けの動画収益化プラットフォームです。そのCTO であるAllen Dove氏は、Interactive Advertising Bureau(IAB)の一員として、VAST 4.0の新仕様を設定するワーキンググループにも参加。この新仕様お披露目の公式「リリース」イベントである IAB TechLab(開催地:サンフランシスコ、英文サイト)にてブライトコーブのJeff Youngと共に講演していただきました。

私は、IAB技術委員会でvideo ad serving template(VAST、動画広告提供テンプレート)、VPAID、その他の動画広告標準に当初から関与しておりますが、詳細に定義された技術仕様やプロトコルが業界の成長にどれほど重要なのかを目の当たりにしてきました。オンライン広告業界のすべての標準は、「開拓」時代から現在まで大きな進化を遂げ、ようやく新しいトレンドや技術をサポートできるようになりました。さらに、オンライン広告エコシステムのあらゆる分野の企業が標準の定義に積極的に参加するようになり、業界全体にプラスの効果をもたらしています。VAST 4.0では業界全体が協力して動画広告を改善し、エンドユーザーのために従来よりも優れた視聴体験を提供しようと試みています。

ブライトコーブと共に新しいVAST 4.0標準の運用テストを行い、より最適化された動画広告再生体験を提供するための貴重な知見を得ました。VAST 4.0は、主にページの読み込み速度や、広告表示寿命の不必要な延長防止など、エンドユーザーの視聴体験を向上する素晴らしい新機能を搭載しています。これら新たな4つの機能をご紹介しましょう。

  • 「条件付き」広告の識別
  • 高品質ファイルのサポート(サーバー サイド スティッチングとも呼ばれる)
  • 動画資産とインタラクティブ機能の分離
  • 検証と閲覧ロジックを厳密にコントロール

条件付き広告

現在、VPAIDコンテナは当初の意図とは少し異なる目的で使用されています。パブリッシャーは、VPAIDクリエイティブを含むVASTドキュメントを「メディア ファイル」として受信することがよくあります。この「メディア ファイル」は本来、インプレッション カウントの対象となるレンダリングに対応したインタラクティブ動画を示すものでした。しかしパブリッシャーは「エラー扱いされた」広告コンテナを見つけ出すためだけにVPAIDを設定する場合が多くありました。これは、以下のことに起因しています。これはまず、VPAIDコンテナがパブリッシャーのプレイヤー環境で実行されるため、ちょっと興味を惹かれてやってきた視聴者は興味を失ってしまい、広告をクリックしてもらえません。あるいは、VPAIDコンテナが視聴者の興味のありそうな広告が他にないかと他のクライアント側広告を3、5、10、または20回と呼び出してしまいます。これはうっとおしいですね。このいずれの状況下でも、パブリッシャーのプレーヤーで、未知の可能性を秘めたリアルタイム広告視聴体験を提供することができるのに、もったいないことです。それなのにほとんどの場合、このプロセスによって数秒間の「黒い画面」がエンドユーザーに表示されてしまうのです。

VAST 4.0では、広告用の新しい「条件付き」フラグを追加し、VPAIDコンテナでこのような現象が発生した場合、パブリッシャーに通知することでこの問題に対処します。この機能をご利用いただければ、エンドユーザーへより快適な動画再生体験を提供していただけます。

サーバーサイドのスティッチングと高品質ファイル

現在VASTでは、高品質なサーバーサイド広告挿入(server-side ad insertion:SSAI)/スティッチングをする際、高品質の動画資産を識別するプロセスは導入していません。VAST 4.0ではクリエイティブのオプションとして中間要素を追加し、この問題を解消。これで、パブリッシャーは高品質で継続的な動画ストリームを視聴者に提供し、動画コンテンツと広告クリエイティブの両方の再生管理を実現します。パブリッシャーはこのような高品質のクリエイティブを取り込み、ニーズやデバイスに応じたフォーマットで配信が可能になります。さらに、パブリッシャーがプリフェッチ モデルを適用し、広告再生の数秒または数分前に広告クリエイティブを挿入すれば、高品質ファイルのトランスコーディング待機中に、インプレッション機会を「逃してしまう」こともありません。このようなプリフェッチは、OpenRTB(英文)の次期バージョンで発表があるので期待していてください。

動画資産とインタラクティブ機能の分離

SSAI機能と並んで、VAST 4.0は各広告クリエイティブにInteractiveCreativeFileノードを提供し、広告主がスティッチング済みのストリームでも広告クリエイティブにインタラクティブ機能を盛り込むことを可能にします。現状では、VPAIDでこのニーズに対応することができますが、将来的にはVPAIDをこの新たな役割に特化させる可能性もあります。ただ、もしそうなったとしても、広告主は高品質なスティッチング済みストリームで、エンドユーザーに満足度の高い視聴体験を引き続きご提供いただけます。その結果、パブリッシャーは「両方のいいとこどり」をして、エンドユーザーにより効率的な視聴体験を提供し、さらには、広告主がエンドユーザーの動きを詳細に把握することが可能になります。

検証と閲覧性

広告主は常々、意図したように広告がきちんと表示されるように監督しています。それに応えるため、VAST 4.0には新たにAdVerifications要素を追加しました。これで、制御されたコード コンテナを配置できるようになり、さらにはこれを実行することでデータを収集し、広告再生の詳細を検証できるようになります。パブリッシャーはできればこのロジックを広告再生前に実行しておき、この検証ロジックで再生をトラッキングできるようにしておくのが理想的です。この機能が「信頼と検証を両立する」モデルを確立し、広告主に各広告の掲載を把握することを可能にします。

VAST 4.0は、広告エコシステムにおける大きな進化を示しています。パブリッシャーは動画再生体験を制御しやすくなり、引き続き広告主が求めている創造性と検証機能の提供もできます。そして忘れてはならないのが、VAST 4.0の恩恵を最も受けるのは消費者という点です。広告動画の再生は効率的であればあるほど嬉しいものですから。