VAST 4.0のサポートで ユーザー体験を向上

VAST 4.0のサポートで ユーザー体験を向上

あらゆるデジタル媒体でもテレビのようなシームレスで広告付きの視聴体験を提供している放送局なら、エンゲージメント率を高め、広告インベントリを増やすことは可能でしょう。アド ブロッカーを上手に回避しながら、より多くの視聴者へこのようなサービスを提供できれば、大きな収益をあげるチャンスがさらに広がります。また、ネイティブ プレーヤーの開発に追われることなく、より拡張性の高い方法でこれを実行することで、大幅なコスト削減が可能になり、収益が早く確保できるようになるのです。

このようなバラ色のシナリオを実現してくれるのが、サーバー サイド広告挿入(SSAI)と呼ばれるもので、Interactive Advertising Bureau(IAB)によるVAST 4.0の発表で注目を集めています。

「VAST」と呼ばれる動画広告テンプレート仕様は、広告サーバーと動画プレーヤー間の通信要件の標準を定めたもので、広告サーバーからVAST形式の広告を受信した際の動画プレーヤーの挙動を以下のように指定します。

  • どの動画広告を再生するのか
  • 広告の再生方法
  • 広告の再生中に何をトラッキングするべきか

この仕様は2012年以来更新されていませんでしたが、SSAIが主流のトレンドになったことで、今回の更新が必要になりました。Brightcove OnceとBrightcove LiftでもSSAIを使用しています。先日発表したホワイトペーパー(英文)で詳しく説明しているように、SSAIはアド ブロッカーの回避ができます。また、クライアント サイドのインテグレーションが複雑なモバイルWebやデバイス上でも、テレビのようにシームレスな再生を実現し、収益化に結び付けることができる技術です。

IABは一般からのフィードバック用にVAST 4.0をリリースした際、「長尺の動画や、クライアント サイドのトラッキングに対応していないデバイスをインストリーム広告配信対応にするための更新」と発表しました。

SpotXと共同のシナリオ テストとIAB

Brightcove Onceは業界をリードするストリーム スティッチング/SSAIソリューションなので、ブライトコーブはフィードバック期間中にSpotXとそのCTOであるAllen Dove氏と共に、VAST 4.0の仕様を検証することになりました。シナリオについては今後の記事で詳細に説明しますが、今回はこの仕様の主な機能を紹介すると共に、Brightcove OnceとLiftをご利用のお客様にとっての利点についてもお伝えしておきます。VAST 4.0には以下のような特長があります。

  1. ユニバーサル広告IDのサポートユニバーサル広告IDによって、パブリッシャーやキャンペーンの動画広告ごとに一意なIDを割り振ります。これには次の2つの大きな利点があります。第1に、クロス プラットフォーム キャンペーンにおける広告代理店や広告主のデータ収集とレポート処理の手間を省きます。第2に、視聴済み広告クリエイティブを、スティッチング サービスで再度処理させないようにします。その結果、インベントリのフィルレートが向上します。
  2. 条件付きの広告宣言現在、SSAIソリューションは、広告サーバーから戻された広告にインタラクティブな要素(クリックすると拡大、など)が含まれているかどうかを知る術がありません。そのため、端末によっては一部の広告が期待どおり機能しないことがあります。広告配信エラーが発生しないように、Brightcove Onceでは条件付きの広告宣言を表示し、インタラクティブな要素の有無を知らせます。その上で、(i) 機能していない広告を回避しつつ、(ii) リニアな動画クリエイティブを追加で呼び出す事で、インプレッション確保の可能性を高めます。
  3. タイムアウト時間Brightcove Onceは広告を事前にリクエストしておき、ストリーム内のミッドロールで配信します。広告にタイムアウト情報がある場合、システムはリクエストのタイミングに応じて広告を配信するかどうかを判断し、ストリーム内での配信位置も決めます。このロジックで、お客様は収益性を最大限高めることができます。また、失効しているため再生できず、インプレッションに結び付かない広告を無駄に配信することもありません。
  4. サーバー サイドでの広告トラッキングこの仕様は、スティッチング サービスによって転送されたIPアドレスを広告サーバーが検索することで、各トラッキング ピクセルで同じIPアドレスを検出するという混乱を避けるためのものです。Brightcove Onceではすでにこの機能を備えていますが、広告サーバーが「x-forwarded-for」ヘッダー値を受け付けるべきだというIABの見解は有意義なことだと言えます。
  5. 広告サーバーからの応答に、広告素材ファイルを含めることができるこれによってOnceは、RAW形式の広告素材ファイルを使用して特定環境に合ったバージョンのエンコードが可能です。このパラメータは、そのファイルの有無を示し、存在する場合はその場所も特定してくれます。高品質な広告素材ファイルを利用できることで、Onceは本編の動画コンテンツと同じビットレートとフォーマットで広告を調整でき、テレビのようなシームレスな再生を実現できます。ただし、Onceでは素材ファイルがなくても、広告クリエイティブを可能な限り高品質なものにしてレンダリングし、機能させることができます。
  6. エラー イベント情報オンライン動画ワークフローのテクニカルな動作状況を確認するには分析機能が重要です。そのためには、広告が正しく配信されなかった場合、どこでどのような問題が発生しているのかを示す機能がプレーヤーに備わっている必要があります。VAST 4.0では、SSAIのシナリオで重要な3つの新しいエラー通知があります。(1) 素材ファイルが必要/不足 (2) 広告を処理中/スティッチング中、そして(3) 条件付き広告の拒否という3つです。ここで最も重要なのは、いずれのエラーも広告サーバーの問題ではないという点です。上記の項目5で説明したように、Brightcove Onceは、素材ファイルの禁止も要求も行わないため、(1)のエラー通知を使用しません。Onceは必要に応じて(2)と(3)のエラーを通知し、お客様が広告サーバーの分析でこの種のエラー イベントを表示し、集約することを可能にします。

Allen Dove氏もCBS InteractiveのJarred Wilichinsky氏も、IABのVAST 4.0ワーキング グループのメンバーです。昨年11月にLAで開催されたStreaming Media Westでは、お二人ともディスカッションに参加してくださいました。Jarredはパブリッシャーにとってこの仕様がなぜ重要なのかをよく理解しており、Allenは広告配信の需要と供給にこの仕様が及ぼす影響について豊富な知見をお持ちです。Q&Aセッションでは、このお二人がさまざまな質問に答えてくれています。カンファレンスのWebサイトから是非ディスカッションの動画をご覧ください。また、こちらのホワイトペーパー(英語)もぜひご参照ください。