本格的な動画広告時代の到来

本格的な動画広告時代の到来

ブライトコーブのカスタマー カンファレンス PLAY が今年はロンドンでも初めて開催されました。ボストンでのオープニング カンファレンスに続き、ロンドンではヨーロッパの動画業界の専門家やインフルエンサーが集結し、業界のトレンドやベストプラクティスについて意見交換をしました。

あるプレゼンテーションでは、動画広告によるマネタイゼーションの進化についてのパネルセッションで、活発な議論が交わされました。デジタル広告は 2 桁の伸びを続けており、Google や Mail Online などの専門家によるパネルディスカッションでは、年間 30 億ポンド以上といわれる業界での動画のインパクトについて議論が行われました。



競合なんてしていない

登場以来このような目覚ましい成長を遂げているため、オンライ動画広告は当初テレビ広告会社の売上を横取りする新興勢力と見なされ、バイイング(広告枠買付)チームの間で戦いが繰り広げられていました。しかし実際には、動画によるマネタイゼーション効果は、それほど明確なものではありません。テレビがデジタルとは別物であることは紛れもない事実です。テレビが受動的なエクスペリエンスであるのに対して、デジタルは「能動的な」エクスペリエンスといわれており、デジタル機能で得られる豊富なデータセットのおかげで、それぞれにカスタマイズしたパーソナライゼーションが可能です。

ただし PLAY London で Google のビデオ スペシャリスト、Robert Curwen 氏が指摘しているように、Sky AdSmart や類似の米国企業が個人の自宅環境をターゲットにし始めたことで、テレビ/デジタルの境界があいまいになっています。事実、PLAY のパネルディスカッションに参加した専門家は、デジタルとテレビの競合を否定しています。Mail Online の Matthew Wheatland 氏、Videoplaza の Oscar Wall 氏、LiveRail の Yoav Arnstein 氏も、デジタルは視聴者を繰り返しブランドに引き戻す効果があるため、テレビの役割を補い、強化してくれる効果があるという Google の Curwen 氏の意見に同調しています。

個別のプラットフォームではなく、動画キャンペーンを購入できる一元化された動画バイイングチームを最終的に目指しているという点についても意見が一致しました。その他に以下のような見解が得られました。

  • 測定が何より重要 – 的を絞ったデータにアクセスできる点は、ROI の向上と無駄をなくすことを目指している広告主とって大きな魅力です。ただし、どうやってそれを測定するのかが問題です。パネリストは皆、広告主にとって測定が「何より重要」だといいます。それによってキャンペーンの成功を実証できるからです。4 月にイギリスの IAB がディスプレイ広告の閲覧数測定に関する一連の業界標準を承認しました。これによって ROI の実証における課題が克服できる可能性が出てきました。検討しなければならないメトリクスが多いので、動画のほうが測定は困難なのは間違いありません。たとえば、どの時点で動画が視聴されたと判断するのかなど、まだ多くの点でコンセンサスが得られていません。
  • 未来は「プログラマティック」 – 動画広告に関する流行語の 1 つに「プログラマティック」というものがあります。これはデータに基づく広告枠の自動的な売買(バイイング/セリング)を意味し、これが効果的な測定に対するニーズに応えてくれる可能性があります。他の自動広告形態とは異なり、プログラマティック トレーディングはバイヤーから好意的に受け止められており、パブリッシャーも受け入れ始めています。その成否は、プラットフォーム ユーザーがコンテンツを制御し続けられるかどうかにかかっています。そして総合的な動画キャンペーンに「プログラマティック」な機能が組み込まれていれば、広告主はテレビとオンラインの両方で配信を追跡することができます。Wall 氏がいうように、「プログラマティック」は広告の未来を担っていますが、効果を最大限発揮するためには、エコシステムに参加する全員が導入する必要があります。
  • 前途多難 – パブリッシャーである Wheatland 氏にとって来年の最大の課題はモバイル動画です。他にも同じ課題を抱えている企業はあり、Facebook はモバイル視聴者への配信を容易にするため、イギリス、フランス、ドイツでテレビのような動画広告機能を拡張すると発表しました。これによって高品質のインベントリに対するニーズが拡大するため、動画広告主には願ってもないことです。


動画広告が初めてテレビに登場してから長い年月が経過しました。そして今後 1 年の間にデジタル分野への影響がさらに拡大するでしょう。面白い時代がやってきました。ただし、Arnstein 氏が強調したように、広告の効果は、利用可能なインベントリ量に限定されるため、「高品質」の動画を見分けることが広告主の成功の鍵となるでしょう。