もちつもたれつの関係:Facebook が TV を必要とする理由(そして TV に Facebook が必要な理由)

もちつもたれつの関係:Facebook が TV を必要とする理由(そして TV に Facebook が必要な理由)

今年 2 月に Facebook は創業 10 周年を迎えました。このソーシャルメディアの巨人はこの 10 年間で色々な進化を遂げてきましたが、なかでも最も特筆すべきは、Facebook が消費者の動画コンテンツの視聴手法の変化にあわせて改良を重ねてきたことです。今では Facebook 自体がこの進化を加速させています。

基本的に新たなエクスペリエンスのコミュニケーションや「シェアリング」のサービス(ザッカーバーグ CEO のコメントをご参照ください)である Facebook は、私たちがシェアしやすいようにプラットフォームの形を柔軟に変更させる必要がありました。Facebook が生まれてからの 10 年間で、インターネットはエンターテインメントのツールから、オリジナルコンテンツや次世代の TV エクスペリエンス(私たちが議論や「共有」したがるようなもの)の目的地へと変化を遂げてきました。また Netflix が 2012 年に英国でサービスを開始したことなどをきっかけに、近年では特にマルチスクリーンや IPTV コンテンツの導入が相次いでいます。

しかしながら、私たちの興味を引こうとするコンテンツが日々拡大する中、現在でも 2,400 万人の英国人が Facebook を毎日使用しています。この事実は、私たちのオンライン生活に密着した SNS として Facebook がいかに成功してきたかを如実に物語っています。特に TV プログラムをうまく取り込んできたことが奏功の要因です。オンライン視聴とネット接続されたデバイスの拡大に伴い、私たちが視聴する TV の時間が紛れもなく増える中、Facebook には TV 向け戦略を講じる以外の選択肢がほとんど残されていませんでした。とりわけ、セカンドスクリーンを巡る戦いで、ライバルの Twitter が TV プログラムのチャットを行う リアルタイムのフォーラム として攻勢をかける中、Facebook には他の手立てがいくらもなかったのです。

けれども Facebook はオンライン動画の拡大に単に対応するだけでなく、オンライン動画の視聴をさらに伸ばす策を講じました。Netflix などとのパートナーシップは TV のエクスペリエンスを拡張し、ユーザーが簡単に自分の視聴したプログラムを共有したり、知り合いが見た番組を探したりできるようにしました。また、TV 放送されることのないリーグ外のサッカーの FA カップを Facebook で生放送するなど、新たな TV の歴史を創ってきました。20 万人のファンがこの試合を Facebook 上で楽しみました。

Facebook の今後のカギを握るのは、より一段と新たな発見をもたらすプラットフォームとして、オンライン動画へのアクセスやそのエクスペリエンスを支援する画期的な新たな手法を提供できるかどうかです。Facebook は今後もオンラインの交流サイトの中心となる可能性がありますが、ソーシャルメディアは一過性が強く、英国ではすでに「Facebook 疲れ」もしばしば話題に上るようになってきました。Facebook はこれまで、ある意味 TV を破壊し、その変革を後押ししてきたプラットフォームですが、今後はこの TV 業界とも協力し合っていくことが不可欠です。

ソーシャルメディアに使った時間が昨年初めて TV を超えるなか、Facebook は自社の最大の資産である「リーチ」、ならびにそれがもたらすユーザーインテリジェンスを最大限生かす必要があります。実際、昨年流出されたメモによると、同社は「これまでになく個々のターゲットにフォーカスしたアプローチ」、ならびに News Feed など「ユーザーにとって最も魅力的なデジタル資産」の保有に乗り出す計画であることが明らかになっています。そしてすでに Facebook は自社のデータを放送局に個別に提供し始めています

まとめると、Facebook は消費者の志向・習慣の変化に対応し続けなければなりません。例えば、先日一周年を迎えた Twitter アプリ「Vine」は、この一年でモバイル撮影した動画の編集やシェアの市場を新たに切り拓いてきました。このアプリを通じて、Twitter はユーザー生成コンテンツ(UGC)に対する関心の高まりをうまく取り込んでいます。このように消費者の変化に対応していくことが、今後 Facebook が生き残る上で不可欠な要素となるでしょう。

一方、TV もソーシャルネットワークを必要としています。SNS は動画の視聴・検索・配信方法を変えただけではありません。製作者はオンラインのバズを生み出すプログラムを創る価値を認識し始めています(AMC の『ブレイキング・バッド』が格好の事例です)。Facebook をはじめとするソーシャルメディアが魅力的な TV をより簡単に楽しんだり、共有・発見したりできるよう取り組むにつれ、これらのメディアは今後、豊富な新ツールを背景に TV プログラムそのものに対する影響力を高めていくことでしょう。

本ブログは Videonet に掲載された記事の転載です。