B スカイ B の AdSmart は TVCM 新時代の幕開けとなるか?

B スカイ B の AdSmart は TVCM 新時代の幕開けとなるか?

英衛星放送局「B スカイ B」は今年 1 月、新たなターゲット広告サービス「Sky AdSmart」を正式に開始しました。Tesco や RBS、Audi、Polo といったマーケティングに優れた大手ブランド 40 社がこのサービスを支持しています。オンラインで自分に関連のある広告が表示されるのには皆さんも随分と慣れてきたと思いますが、ターゲット TVCM はまったくの新たな試みです。この B スカイ B の新サービスは、視聴者と広告主の双方にとって、第一のスクリーン上での広告効果を高める取り組みの試金石となるでしょう。

ではこの TVCM は一体どのような仕組みなのでしょうか? まず居住地や第三者データ、特性などをもとに視聴者をセグメンテーションします。セットトップボックス「スカイ +HD」経由で送られた大量の CM は、各世帯の属性にあわせて分類され、この選り分けられた CM がライブ配信されます。その結果、デモグラフィックにもとづいて世帯ごと異なる CM が流れるという仕組みです。

幅広いながらも極めて価値ある TV 視聴者を一段と的確にセグメンテーションできる手法に、大手ブランドは高い関心を払っています。そのようなブランドのマーケターにとって、効果的なターゲット TVCM はまさに長年追い求めてきたものです。しかし Sky AdSmart で真に価値があるのは、それが地元の小規模企業にうってつけだという点です。

前回のブログでお伝えしたように、全国放送の CM コストはけた違いに高く、かつ地理的に関係の薄い視聴者が数多く含まれる点で、地元企業には閉ざされた道でした。そのような中、英国全体の世帯数の 5 分の 1 に対して効果的にターゲティングできる Sky は、より多くのブランドや企業に TVCM の門戸を広げます。実際、AdSmart 登録者の 4 分の 1 は TVCM 新規参入層か復活組です。

さらに、自分に関連性の高い CM を流すことは TV プログラムに対する視聴者の定着率向上につながる可能性も秘めています。米国で同様のターゲット TVCM シリーズを展開したところ、別番組へのチャンネルスイッチが飛躍的に減りました。視聴者は CM になるとすぐにチャンネルを変えるわけではありません。というのも、ターゲット化・パーソナライズ化された CM は視聴者の心をこれまで以上にがっちりと捉えて離さないからです。その結果、ターゲット CM はブランドにメリットとなるだけでなく、熾烈な視聴率争いを繰り広げる放送局にも恩恵をもたらすことでしょう。さらにこのサービスは一人ひとりの嗜好や居住地、デバイスにあわせて最適化された、よりパーソナルな「Me TV」プログラムへの道を切り拓きます。

広告主にとっての次なるステップは、マルチスクリーンのエクスペリエンスをつないで、完全に統合されたキャンペーンを展開する手法を見出すことです。英国ではネット接続されたデバイスの視聴時間は 1 日あたり 2 時間を超えており、そのうち 2 つ以上のデバイスに同時にアクセスしている時間は 46% に達します。あらゆるスクリーンで動画を視聴する層が多い英国人は、その時分に最適な端末を求めて様々なデバイスを代わる代わる視聴しています。AdSmart はこの広告パズルの 1 つのピースにすぎません。次なるチャレンジは、コンテンツの視聴方法や場所に関係なく、あらゆるデバイス上の視聴者にリーチする手法を確立したうえで、特定のターゲットユーザーに訴求することです。

過去半年間にわたる AdSmart のベータテストの結果は殊のほか良好だと報告されています。業界では今、フルバージョンの導入のいきさつを注視しています。AdSmart が今日の TVCM に革命を起こすパワーがあるのかどうか注目されます。