Apple とネット配信動画:ほぼ同じ… ではおそらくない

Apple とネット配信動画:ほぼ同じ… ではおそらくない

Sling Media は Apple TV の所有者が TV コンテンツを iPhone と iPad にライブ ストリーミングできるようにする Slingbox アプリを発表しました。このニュースが届いたのは、これまで幾度となく生まれては消えていった「お馴染みの」Apple TV セットにまつわるが再びささやかれるようになってきた時です。さて、私たちはこれからも、形のないハードウェアである「Apple Television」に一喜一憂すべきなのでしょうか? それとも、「既存」の Apple TV にネット動画配信機能が追加されるのを待つべきでしょか? どちらにせよ消費者の優先順位が高いのは、録画番組、生放送、あるいは同時放送のいずれであろうと、オンデマンドのコンテンツであることが広く浸透しています。

この Slingbox のニュースは技術的な観点では必ずしも重要ではありません。この種のコンテンツ消費エクスペリエンスはすでに長年にわたり AirPlay で可能だからです。ただこの発表が意味深いのは、デジタルメディア環境下でもうだいぶ前からくすぶっているいくつかのトレンドを浮き彫りにしているからです。

  • (AirPlay 経由の)Apple TV と Chromecast はともに「モバイル ファースト」の概念を推し進め、コンテンツをあらゆる「スマートでない」TV に配信するツールです。TV は「スマート」である必要がありません。ただそこに「あれば」いいのです。配信とエンゲージメントの観点では、モバイルをあらゆる機能をこなす「ファースト スクリーン」に位置づけます。この点で、TV は永久に「セカンド スクリーン」の地位に追いやられます。ただ、このことは問題ありません。
  • またこの進化は、放送業界を悩ます課題を映し出しています。主たる「リーンバック」デバイスである TV の、そして最終的にはリビングルームの所有者は誰かという問題です。消費者でしょうか? モバイルのアプリやデバイス経由でのOTT(ネット配信動画)サービスとして、ライブや VOD のブロードキャスト コンテンツへのアクセスが容易になる中、従来の有料 TV 放送のエコシステムにとっては残念ですが、消費者はこのモデルを期待・要求し始めるでしょう。

業界は消費者への価値を高める機会(ならびに新たな/追加のマネタイゼーションの機会)として、高まるネット配信動画の人気を受け入れ、活用する必要があります。有料 TV がこの消費志向のシフトに留意しなければ、放送とデジタルのギャップが広がるにつれ、消費者との摩擦は深まり続けることでしょう。