視聴者を顧客に変えるには:動画がマーケティング企業に及ぼす変化

視聴者を顧客に変えるには:動画がマーケティング企業に及ぼす変化

PLAY カンファレンス 2 日目に開催された戦略セッションでは、マーケティング企業における動画という話題が取り上げられました。Brightcove のデジタル マーケティング ソリューション担当 VP である Steve Rotter がモデレータとなって、以下の参加者によるパネル ディスカッションを行いました。

  • Content Marketing Institute の創始者である Joe Pulizzi 氏
  • Oracle のデジタル メディア マーケティング担当ディレクタ、Linda Crowe 氏
  • Adjust Your Set の CEO、Chris Gorell Barnes 氏

3 名の参加者はそれぞれ、動画に関する独自の見解と、効果的なブランディングのためのコンテンツ マーケティングのメリットを語ってくれました。

コンテンツ マーケティング:過去と現在
Joe Pulizzi 氏はプレゼンテーションの冒頭で過去に目を向け、コンテンツ マーケティングの原型として、John Deere's Furrow Magazine、オリジナルのミシュラン ガイド、Jell-o レシピ本、Marvel の G.I. ジョー塗り絵本などを挙げました。このように便利で魅力的かつ面白いコンテンツは、広告からコンテンツ マーケティングへの意図的なシフトを示すものです。Content Marketing Institute(CMI)によると、2001 年のコンテンツ マーケティングへの年間投資額は総額で 200 億ドルでしたが、2009 年までに、平均的な企業が毎年コンテンツ マーケティングにかけるコストは 1 社当たり 180 万ドルになりました。このようにコンテンツ マーケティングの歴史は長く、この分野への投資機運と注目度も高まってはいるのですが、ほとんどのブランドがまだあまり上手にコンテンツ マーケティングを活用できてないと Joe は考えています。自社ブランドの説明が上手でも、便利で楽しいコンテンツ作りのための努力がもっと必要だと考えています。Joe は Brightcove の依頼で CMI と MarketingProfs が先ごろ実施した調査のデータも紹介しました。以下はその主なポイントです。

  • 回答した企業の 91% がコンテンツ マーケティングを使用
  • ソーシャル メディアが最も人気のあるコンテンツ マーケティング手法
  • 投稿記事が 5 つ以下の企業のブログが 85% を占めている(企業のマーケティング部門はコンテンツ マーケティング作業の着手は得意だが、継続的なメンテナンスは苦手なのかもしれない)
  • 正式なコンテンツ マーケティング戦略がある企業は全体の 10% 未満だが、自社のコンテンツが効果的だと考えているのは 36%

Joe は、何らかのインパクトを生み出すためには、コンテンツ マーケティングにストーリー性を持たせることが不可欠だと語りました。ではストーリー性を持たせるために最も強力な形態は何でしょう。少なくとも Brightcove では、動画だと考えています。

エンタープライズ動画
Oracle の Linda Crowe 氏が、大規模なエンタープライズによる動画アセットのプランニングや管理について、さまざまなインサイトを提供してくれました。中でも最も興味深かったのは、15 年前から動画を制作していた Oracle が、優れたストーリー作りに取り組み、マーケティングや営業全体に総合的に動画を導入して、動画制作と戦略を融合させたのはつい最近のことだという点でした。Oracle の動画制作に関するデータで、特に興味を持ったのは以下でした。

  • Oracle は世界中に 3 つの動画スタジオを持っている
  • Oracle は毎年約 2,500 本の動画アセットを制作している
  • Oracle は毎年約 140 本のライブ 動画 Web キャストを制作している
  • Oracle の動画コンテンツは、Brightcove Video Cloud と YouTube で 8 百万ビューに達している

Linda は、企業がキャンペーン推進の一環として動画をとらえる必要があると語りました。視聴者をマーケティング チャネルに取り込み、何らかのアクションを誘発することで、最終的には売上やブランド強化につながるようにするための簡単な方法が動画なのです。

Linda は、自身のチームで実践している動画関連の課題解決方法も紹介してくれました。

  • 社員が作成した「セルフサービス」動画と、コンテンツの管理および標準との微妙なバランス調整。
  • シンジケーション。すべてのプラットフォームでシンジケーションが可能なわけではないため、アセットの再利用のためには管理上大きな課題が生じる。
  • パフォーマンス測定とエンゲージメント メトリクス。動画が当初設定した目標を達成しているかどうかの判断。

メトリクスに関しては、Linda は以下が必要だとアドバイスしてくれました。

  • コンテンツ制作プロセスを開始する際に、測定するメトリクス(動画のビュー回数、売上など)を決定しておくこと
  • 拡張や冗長性について計画をしておくこと
  • 作業フローを明確にして、アセット管理を常に優先すること
  • 増加する動画アセットを管理できるだけのストレージを確保していること

エージェンシーの見解
マーケティング エージェンシーである Adjust Your Set の CEO 兼創始者、Chris Gorell Barnes 氏は、動画は複雑な技術だが、「正しく活用すれば」非常にパワフルなものであるという見解を示してくれました。英国の小売り業者である Marks & Spencer など、同社が手掛けている有名ブランドが、動画ポータルや的を絞った動画コンテンツによって売上を増やした事例を紹介してくれました。Chris は、「コンテンツが一番重要だが、コンテキストも同じくらい重要だ」と語りました。そして動画の活用によって、ブランドはコンテンツとコンテキストを融合させて、強力なメッセージを発信できます。動画コンテンツ マーケティングに初めて着手するブランドに対して、Chris は以下のようなアドバイスをしてくれました。

  • 便利で情報が満載された、魅力的なコンテンツを作成すること。
  • ブランド原則に合った、視聴したくなるようなコンテンツ(たとえば Red Bull のように)を制作するとよいでしょう。
  • 制作を開始する前に、コンテンツで何をしたいのかを計画すること。コンバージョン率の向上、シェアや売上増など、目的を明確にしておく必要があります。そして、設定した目的に沿って制作する必要があります。
  • 動画の強みを理解し、最適な活用が可能な専門家に協力してもらうこと。

Chris は、ブランドはメディア企業のような考え方をして、パブリッシャはマーケティング企業のような考え方をする必要があると考えています。再生ボタンを押した後、つまり 2 回目のクリックで視聴者が何を行うのかが最も重要だという点を常に念頭に置いておく必要があります。

このセッションの録画は近日中にブログと Web サイトに掲載する予定ですのでご期待ください!