リビングルームの戦い

リビングルームの戦い

リニアとデジタルの統合は進行中で、メディア企業がデジタル革新によって熾烈な戦いを繰り広げる中、競争はますます激化しています。ケーブル会社以外も消費者へのリーチが可能になったことは周知の事実です。Hulu や Netflix などの direct-to-consumer プレーヤが、これまでケーブル会社が独占していたシェアを徐々に切り崩していますが、さらにテレビ局(HBO、ESPN、ABC、他)も同様な動きを見せています。したがって、かつては配信業者向けだけだった広告が、今ではメディアやエンタテインメント業界といったその他の企業の間でも利用されるようになりました。

そのため、新たな啓蒙活動が必要になります。デジタル時代の初期には、広告付きのメディア以外に収入を得る方法はありませんでした。ただしデジタルの世界で得る「小銭」は、大手メディアが稼ぎ出す「ドル箱」収入とは比較にもならないものでした。そのため、direct-to-consumer デジタルを扱っているメディア企業の多くは、デジタルは従来型のリニア テレビの価値を下げたり、それに取って代わるものではないと理解していました。実はメディア ブランドは direct-to-consumer デジタル プレイを活用して、従来のサービスから収益を得ることができます。そのためにはデジタルでの作業を、包括的なコンテンツ イニシアチブに統合する必要があります。オンライン動画プラットフォームと関連するマネタイゼーションや保護技術を持つ Brightcove は、こうしたリビングルームの戦争における「武器商人」と言えます。

大手メディアがオンラインから多額の収益を得る方法とは?

デジタル エンタテインメントの初期の頃は、確かに広告付きのメディアがモデルになっていました。残念なことに、デジタル広告収入は、従来のメディア広告のような多額なものではありません。そのため、大手放送局は従来型の視聴を促すために、キャッチアップ用の(見逃してしまった番組を視聴できる)テレビ アプリを使用しています。データや詳細な分析でも、すでに放送した番組にすぐにアクセスできるようにすることで、追加の視聴者が得られ、従来のチャネルでの評価が高まることがわかっています。その結果、ケーブル プロバイダとの配信契約の際に、視聴者数増加に伴い、広告主に料金アップの交渉ができるという強みも生まれます。つまり、「TV Everywhere」戦略は消費者にイノベーションを提示するだけでなく、最終的には視聴者の数が重要になる従来型の広告活動にも効果があるのです。

この点に関する素晴らしい事例が Oscars app で、これは一部ではライブ イベント アプリの基準にもなっています。このアプリは非常に素晴らしいものでした。ショーに関連する無数のコンテンツ(バックステージ動画、俳優のプロフィールなど)を提供し、普段はアプリでしか視聴しない人も、テレビでも同時に視聴したくなりました。The Oscars はこれによってとても熱心な視聴者と、広告が流せる 2 つのスクリーンを獲得しました。

ブランド コントロール

HBO Go や Watch ESPN などは、開発作業が大規模でコストも相当かかったはずです。しかし最終的にはテレビ局にとって大きな戦略的価値があります。この種のアプリで視聴者数を増やすことで、テレビ局は自社の方向性をコントロールできる可能性があります。テレビ局がケーブルという「仲介者」を通さずに、direct-to-consumer エンゲージメントを推進できるようになる時代がくるかもしれないというのが大方の見方です。それよりも重要なのは、この種のモバイル アセットがテレビ局にとって貴重なブランド認知度を高めるという点です。この種のアプリは、Xfinity や Fios アプリとは逆のキャッチアップ視聴に使用されるようになりました。ブランド認知度は大手メディア ブランド、小規模企業の両方にとって非常に重要です。配信量を増加させるためには、ケーブル会社のラインアップにそのテレビ局を追加するように依頼する人の数を増やさなければなりません。これはアプリによるアクセス、アウェアネス、エンゲージメントによって実現できます。これらすべてが驚くほど相乗効果があることがおわかりいただけますか?

オンデマンドで瞬時に視聴

デジタル コンテンツを広告付きの媒体としてしか捉えていないメディア企業は、重要な点を見過ごしていると思います。ビジネスをやっていくためのコストの一環として、デジタルを包括的なコンテンツ戦略に統合する必要があります。今のところ主なメリットは、デジタル アウェアネスによって従来型のリニア テレビでの成功をサポートできる点です。しかし将来的には、オンデマンド コンテンツへのニーズがますます高まることが予想されます。たとえばジェネレーション Z と呼ばれる 1990 年代から 2000 年代後半生まれの人達は、生まれた時からあらゆるデバイスでオンデマンド エンタテインメントに常にアクセスできる環境に置かれています。将来は彼らが主なコンテンツ利用者になるわけです。メディア企業は今すぐにデジタルの潮流を捉え、常に進化し、近い将来大きな変化が予想されるデジタル消費に備える必要があります。